馬の背洞門

馬の背洞門

三浦半島南端の島、城ヶ島の南側に広がるテラス状の岩礁地帯にある高さ8m、横6m、厚さ2mの海食洞が馬の背洞門。城ヶ島灯台や商店街のある島の西部から台地上に上がり、尾根沿いに洞門横に下るルート、海岸の岩畳の上を歩くルート(高波時は歩行できません)、さらに県立城ヶ島公園の駐車場からのルートが用意されています。

城ヶ島を代表する景勝地は、美しい海蝕洞

馬の背洞門
馬の背洞門の上部
馬の背洞門
馬の背洞門から房総方面を眺望

明治の文豪・大町桂月(おおまちけいげつ)は、
「常光寺の境内を通り、水難救済会監視所の側を過ぎて、馬の背に至る。怒涛脚下の巌を噛む。左は房州、右は伊豆、前には雲の峰聳(そび)ゆ。その雲の峰少し薄らぎて中より大島あらわる。馬の背はやがて馬の首となり、長巌海に突き出す。之を赤羽根と称す。懸崖(けんがい)を斜めに削りて、路を通ず。下(くだ)りて右にゆけば、突き抜けたる穴あり、左に行きても、突き抜けたる穴あり。」
と当時の馬の背を記しています。

大町桂月の来訪時、三浦半島先端部には鉄道は通じていなかったため、大町桂月は隅田川河口の霊岸島から東京湾汽船で三崎港まで到達しているのです(大正4年で、所要4時間、船賃1人20銭)。

島内を一周する全長4kmのハイキングコースもありますが、ショートカットするなら、県立城ヶ島公園前の駐車場利用が便利。
県立城ヶ島公園を起点に徒歩5分の赤羽根海岸へ。
海岸沿いのウミウ展望台からは、ウミウなどの海鳥が観察可能。
さらに赤羽根崎方向へ10分ほど歩くと、ぽっかりと穴の開いた奇岩、馬の背洞門。

めぐりの洞門という別名をもつ奇岩は、今も浸食が進んでおり、洞門内の通り抜けは不可。
洞門上のヤセ尾根も立入禁止になっています。

関東大震災で1.4mも隆起!
関東大震災以前は、馬の背洞門の中を満潮時に小舟で通り抜けることができました。
大正12年9月1日に発生した関東大震災で1.4mほど隆起(劔埼灯台も城ヶ島灯台も倒壊)。
馬の背洞門周辺の岩畳(波食台)も実は、関東大震災など、過去の地震で隆起したものなのです。
実は、灯台の建つ高台も、海食台が陸化し、その後の隆起で現在の高さまでになったもの。
海食台が陸になったのは6万年前と推測されるので、6万年を費やして現在の高さまで隆起したことになります。
三浦半島はプレートの境界域に位置するため、毎年0.3mm〜1mmほど隆起しているといわれています。
馬の背洞門
馬の背洞門
名称 馬の背洞門/うまのせどうもん
所在地 神奈川県三浦市三崎町城ケ島
関連HP 三浦市観光協会公式ホームページ
電車・バスで 京浜急行線三崎口駅から京浜急行バス城ヶ島行きで27分、終点下車、徒歩5分
ドライブで 横浜横須賀道路衣笠ICから約16km
駐車場 城ヶ島第3駐車場(92台/有料)・城ヶ島第2駐車場(15台/有料)・城ヶ島第1駐車場(22台/有料)
問い合わせ 三浦市観光協会 TEL:046-888-0588/FAX:046-888-5914
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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