神奈川県箱根町、寄木細工(よせぎざいく)で知られる旧東海道畑宿(はたじゅく)にある一里塚。畑宿は宿場ではなく立場(たてば)ですが、町並みのはずれに江戸から数えて23里目の一里塚が残されています。街道を挟んで両側に塚が残されていますが、一対のかたちで現存するのは沿線の開発が進む東海道では貴重な存在。
一対の塚のみ現存し、往時の姿に復元
一里塚は、慶長9年2月4日(1604年3月4日)、徳川家康が、徳川秀忠に命じ、金山奉行の大久保長安が総監督となって東海道など、江戸・日本橋を起点として各街道の1里(4255m)ごとに5間(9m)四方の塚を築き、木陰で旅人が休息を取れるよう木を植えたもの。
木が高ければ離れた所からよく見え、根が深くなれば風に倒れないという利点が強調され、エノキ(榎)などが植えられました(『篤焉家訓』諸国道中一里塚之始/九之巻)。
平成10年に行なわれた保存整備事業で、高さ4.5m、直径9mという大きさになるように周囲に石積みがあることも判明しています。
塚の上には江戸から京に向かって左側にケヤキ(欅=落葉樹)、右側にモミ(樅=常緑樹)が植えられていました。
ともに寒さに強い樹種なので、冬の冷涼な気候に配慮したものだと推測できます。
箱根旧街道の一部として国の史跡に)。
ちなみに立場とは、小田原宿と箱根宿のように宿間の長いところに設置された旅人や人足、駕籠かきなどが休息する場所です。
箱根には、湯本茶屋、畑宿、元箱根(葭原久保/よしわらくぼ)に一里塚がありましたが、現存するのは畑宿のみです(箱根西坂には現在の三島市に錦田一里塚が現存しています)。
箱根旧街道一里塚(畑宿) | |
名称 | 箱根旧街道一里塚(畑宿)/はこねきゅうかいどういちりづか(はたじゅく) |
所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿 |
関連HP | 箱根町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス畑宿行き、元箱根行きで17分、畑宿下車、徒歩1分 |
ドライブで | 箱根新道須雲川ICから約2.5km |
駐車場 | なし/畑宿寄木会館駐車場(13台)を利用 |
問い合わせ | 箱根町総合観光案内所 TEL:0460-85-5700/FAX:0460-85-5721 |
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