真鶴岬(三ツ石)

真鶴岬(三ツ石)

神奈川県真鶴町にある太平洋に突き出した岬が真鶴岬(まなづるみさき)。岬の突端、海面に巨石が3つ突き出したように見える場所が、三ツ石と呼ばれる景勝地です。海岸から200mにわたって続く岩礁の先にあり、干潮時なら三ツ石まで歩いて渡ることができますが、潮の干満、高波などには十分な注意が必要。

豊かた自然だけでなく、歴史も秘める

真鶴岬(三ツ石)

15万年ほど前の箱根外輪山爆発の溶岩流でできた、長さ3kmほどの真鶴半島。
十国峠などから俯瞰すると鶴が羽を広げたように見えることから、この名があります。

半島中央部は「魚つき保安林」(海に映る森の陰に魚が集まる習性を活かした漁業資源保護のための森林)に指定される原生林が生い茂る丘陵地ですが、半島の先はゴツゴツとした岩礁が続く真鶴岬で、磯遊びに最適な場所。

満潮になると、濃紅色の花が咲いたように見えるウメボシイソギンチャク(梅干磯巾着)、生息の北限となるサンゴイソギンチャクは、神奈川県の天然記念物に指定されています。

海岸沿いには番場浦遊歩道、潮騒遊歩道も整備されています。
真鶴岬の南岸、番場浦遊歩道、潮騒遊歩道周辺の海域は温暖で、サンゴイソギンチャクも生息しています。
番場浦海岸は、真鶴半島採石場跡(輝石安山岩を採石)でもあり、江戸時代の初め、江戸城石垣のため鍋島勝茂(なべしまかつしげ)の石丁場(いしちょうば)、寛永年間(1624年〜1645年)には尾張藩、水戸藩などの大名丁場(だいみょうちょうば)が開かれた場所です。

岬周辺の森は、クスノキやスダジイなどの照葉樹林(神奈川県海岸部を代表する照葉樹林です)、クロマツとアカマツの松林で構成された鬱蒼(うっそう)と茂る「魚つき保安林」で、森林浴遊歩道も整備されるため、真鶴岬は、「森林浴の森100選」にも選定されています。

岩の間からご来光を拝むことのできる初日の出のスポットとしても有名。

箱根ジオパークジオサイトにも

真鶴岬の高台には展望広場、休憩施設の「ケープ真鶴」(喫茶、売店、無料休憩コーナー完備)、与謝野晶子の碑(「我が立てる 真鶴崎が二つにす 相模の海と伊豆の白波」/昭和7年正月に真鶴岬を訪れて詠んだ句)が整備されていますが、その脇には幕末に築かれた小田原藩の砲台(台場)跡も。
文政8年(1825年)、幕府から出された異国船打払令を受け、小田原藩も小田原城下を護る小田原台場(荒久台場、代官町台場、万町台場)のほか、海岸沿いに2ヶ所の台場(真鶴岬固急手、大磯照ヶ崎固急手)を築いていますが、そのうちのひとつが真鶴岬固急手(真鶴岬以外の遺構は現存していません)。
また、真鶴岬は、源頼朝が石橋山の合戦に敗れた後、治承4年8月28日(1180年9月19日)、安房(南房総)へと小舟で脱出した地でもあるのです(「武衛は土肥眞名鶴崎より乗船し、安房の国の方に赴き給う」/『吾妻鏡』)。

ちなみに、伊豆半島の南端・石廊崎、伊豆大島、三浦半島の南端・剱崎に囲まれたのが相模灘(さがみなだ)で、そのうち、真鶴岬と三浦半島の城ヶ島を結んだ内側(北側)海域が相模湾となっています。
つまり真鶴半島の北側が相模湾、南側が相模灘ということに。

三ツ石海岸、魚つき林と漁礁は、箱根ジオパークのジオサイトにもなっています。

真鶴岬ハイキングコースタイム(魚つき保安林コース)

真鶴駅〜(路線バス10分)〜お林展望公園〜(徒歩7分)〜灯明山〜(徒歩23分)〜小鳥の池〜(徒歩3分)〜森林浴遊歩道入口〜(森林浴遊歩道・徒歩6分)〜番場浦遊歩道入口〜(番場浦遊歩道・徒歩8分)〜潮騒遊歩道入口〜(潮騒遊歩道・徒歩15分)〜真鶴岬(三ツ石)
歩程/3km・所要1時間10分

名称 真鶴岬(三ツ石)/まなづるみさき(みついし)
所在地 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴
関連HP 真鶴町観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR真鶴駅から箱根登山バス、伊豆箱根バスケープ真鶴行きで20分、終点下車、徒歩5分
ドライブで 西湘バイパス石橋ICから約13km
駐車場 番場浦駐車場(50台/無料、5月〜8月は有料)
問い合わせ 真鶴町観光協会 TEL:0465-68-2500
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
真鶴森林浴遊歩道

真鶴森林浴遊歩道

神奈川真鶴町、相模灘に突き出した真鶴岬の大半を覆うのが、松、クスなどの原生林。樹木は海に緑陰を落とし、魚はこの陰に集まるため「魚つき保安林」として保護されています。先端部の森を南北に歩くのが真鶴森林浴遊歩道(全長850m)。遊歩道の入口は、

 

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