江戸時代には江の島詣で賑わった江の島西端、江の島岩屋周辺にある岩棚の海岸にある淵が稚児ヶ淵(ちごがふち)。建長寺広徳院の自久(自休)和尚に見初められた相承院(鶴岡八幡宮の僧坊・鶴岡二十五坊のひとつ、頓覚坊)の稚児・白菊が身を投げたことが名の由来で、富士を眺める絶景の地ゆえに「かながわの景勝50選」にも選定。
稚児が身を投げたという悲しい伝説の淵
稚児ヶ淵にある海蝕洞が、当時、弁財天が鎮座した江の島岩屋で、自久(自休)和尚は、江の島弁財天に百日詣を行なっている際に、稚児・白菊を見初めます。
この物語は、万治2年(1659年)の中川喜雲『鎌倉物語』に記されているので、江戸時代初期にはすでに伝承していたことになります。
後に鶴屋南北が脚色して歌舞伎『桜姫東文章』(さくらひめあずまぶんしょう)となり、文化14年(1817年)に河原崎座で初上演。
江の島詣の隆盛と相まって、稚児ヶ淵は有名な景勝地になったのです。
岩棚自体は関東大震災に隆起したもので、江戸時代の浮世絵に描かれた風景とは少し異なりますが、現在でも往時と変わらず絶好の磯釣りポイントになっています。
片瀬海岸とを結ぶ「べんてん丸」の発着所もあるので帰路は海上交通を利用する手も(ちなみに稚児・白菊も岩屋まで渡船を利用しています)。
江の島・稚児ヶ淵 | |
名称 | 江の島・稚児ヶ淵/えのしま・ちごがふち |
所在地 | 神奈川県藤沢市江の島2-5-2 |
関連HP | 藤沢市観光公式ホームページ |
電車・バスで | 小田急線片瀬江ノ島駅から徒歩27分 |
ドライブで | 横浜横須賀道路朝比奈ICから約14km |
駐車場 | 江の島なぎさ駐車場(232台/有料) |
問い合わせ | 片瀬江の島観光案内所 TEL:0466-23-4141 |
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