比与宇トンネル

比与宇トンネル

神奈川県横須賀市田浦港町にある道路トンネルが、比与宇トンネル(ひようとんねる)。戦前は、国鉄・田浦駅構内からの軍事用引込線の走るトンネルだったもので、周囲に弾薬庫があったため、トンネル内で弾薬の積み下ろしも行なわれました。また引込線は、トンネル内でスイッチバックしていました。

トンネル近くにはダイヤモンドクロス跡も!

比与宇トンネル

比与宇トンネルは、全長130m、幅員6.7m。
周辺には、総延長2326.8mの地下壕「横須賀海軍軍需部比与宇火薬庫」が開削されていますが、これは万一爆発事故が起きても周囲に影響を及ぼさないため。
十二糎七高角砲弾、二十五粍機銃弾などをここで積み下ろし、あるいは積み込みをしていたのです。
太平洋戦争が激しくなると逗子開成中学校の生徒なども動員され、就労していました。

田浦港軍用専用線(昭和18年敷設)は、田浦駅を出て、比与宇トンネルに向かう線路と、そのまま北の箱崎に向かって走る線路(戦後は、米軍田浦専用線=米軍のジェット燃料輸送で使用)があり、比与宇トンネルに向かう列車は、トンネル内で進行方向を変え、西の長浦港倉庫街へと進みました。
そのため、直接北に進む線路とは、トンネルの西側で十字にクロスすることに。

トンネル内の軌道は撤去されていますが、トンネルの入口手前のアスファルトで埋められたレール、ダイヤモンドクロス(十字にクロス)する軌道などが当時の面影を残しています。

戦時中、トンネル一帯には海軍横須賀軍需部比与宇長浦弾薬庫があり、地下壕で繋がっていましたが、現在入口もは閉ざされています。

トンネル内は白線で歩道が区分されているだけなので、走行する車に注意が必要。
トンネル内部に軌道終端の看板も設置され、そこでスイッチバックしていました。

比与宇トンネル
JR田浦駅側の引込線跡
比与宇トンネル
ダイヤモンドクロスの跡
比与宇トンネル
名称 比与宇トンネル/ひようとんねる
所在地 神奈川県横須賀市田浦港町1407
関連HP 横須賀市公式ホームページ
電車・バスで JR田浦駅から徒歩15分、京急安針塚駅から徒歩20分
ドライブで 横浜横須賀道路逗子ICから約4km
駐車場 なし
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
七釜トンネル(JR田浦駅)

七釜トンネル(JR田浦駅)

神奈川県横須賀市田浦町1丁目、JR横須賀線・田浦駅は、ホーム両側がすぐにトンネルという珍しい駅で「ドアカット」されることで有名ですが、横須賀側にある七釜トンネルは、明治、大正、昭和のトンネルが3つ並び、日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・

長浦倉庫群(海軍軍需部長浦倉庫跡)

長浦倉庫群(海軍軍需部長浦倉庫跡)

神奈川県横須賀市田浦港町、JR田浦駅から海岸に向かって進んだ長浦湾沿いの臨海部にあるのが、長浦倉庫群。大正8年、海軍工廠造兵部の長浦倉庫(後の海軍軍需部長浦倉庫)と海軍水雷学校の拡張工事の敷地となった場所。長浦湾の岸壁にそった倉庫群には軍需

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ