高知県が生んだ植物学者で、「日本の植物学の父」牧野富太郎(まきのとみたろう)博士の業績を顕彰する施設として、高知市五台山に昭和33年に開園した施設が高知県立牧野植物園。高知県の植物を中心に牧野博士ゆかりの植物など約3000種類の植物が植えられ、四季折々の花を楽しむことができます。
世界的植物学者・牧野富太郎博士の業績をしのぶ
ツツジの仲間が咲き誇る春、ユリの仲間やアジサイが咲く夏、ハギの仲間、オミナエシ、マツムシソウなどが見頃となる秋、タイワンツバキやヤブツバキ咲く冬と、南国の気候を活かして四季を通じて花が咲きます。
牧野植物園で研究や普及に取り組んでいる薬用植物を中心に植栽する「北園・薬用植物区」、かつては竹林寺の境内だった地で、50周年記念庭園や温室のある「南園」があります。
「北園・薬用植物区」には、標高1000m以上の冷温帯から温暖な海岸線までの植生を4つの気候帯のゾーンに区切って再現した「土佐の植物生態園」、さくら・つつじ園、薬用植物区、博士ゆかりの植物の庭、牧野富太郎記念館展示室もあり、植物研究一筋に生きた牧野博士の業績を知ることができます。
ガーデンショップ「野の花」、ミュージアムショップ「バイカオウレン」、薬膳ランチも味わえるレストラン&カフェ「アルブル」、カフェ「アルブル」も併設。
レストランのみの利用は入園料が不要のため窓口にて申し出を(カフェの利用は入園料が必要)。
入園口で「ショップ利用者カード」をもらえば、20分間までショップの利用も可能です。
毎年6月に青い花を咲かせるヒメアジサイは、牧野富太郎博士が昭和3年、戸隠(長野県)の民家で発見し、昭和4年にヒメアジサイと命名したもの。
その青い色と優美さが気に入って東京練馬の自宅(現・牧野記念庭園)にも植栽、牧野記念庭園から移植したヒメアジサイが高知県立牧野植物園に咲いています(牧野記念庭園では枯れてしまったため、高知県立牧野植物園から里帰り)。
明月院(鎌倉市)の明月院ブルー、六甲山の六甲ブルー(神戸市)もこのヒメアジサイのことで、牧野博士が愛した牧野ブルーだったのです(高知県立牧野植物園ではそのオリジナルを見ることができます)。
生涯に採取した標本は約40万枚におよび、新種や新品種など1500種類以上の日本の植物を命名しています。
展示館には博士の生涯を紹介するコーナーや牧野博士の描いた植物画の原画をはじめとして、江戸時代の植物図、近代画工のもの、西洋のものなどの植物画の展示コーナーもあるのでぜひ見学を。
ちなみに、牧野富太郎博士は、文久2年4月24日、土佐国佐川村(現、高知県高岡郡佐川町)に生誕。4月24日は、「植物学の日」になっています。墓所は東京都台東区谷中の天王寺。
高知県立牧野植物園 | |
名称 | 高知県立牧野植物園/こうちけんりつまきのしょくぶつえん |
所在地 | 高知県高知市五台山4200-6 |
関連HP | 高知県立牧野植物園公式ホームページ |
電車・バスで | JR高知駅からタクシーで20分 |
ドライブで | 高知自動車道高知ICから約8km。高知龍馬空港から約15km |
駐車場 | 195台/無料 |
問い合わせ | 高知県立牧野植物園 TEL:088-882-2601/FAX:088-882-8635 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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