延光寺(四国八十八ヶ所霊場第39番札所)

724(神亀元)年、聖武天皇の勅願で行基が薬師如来を刻んで本尊とし、堂塔を建立したのが始まりと伝えられる古刹が宿毛市の延光寺。795(延暦14)年、空海(弘法大師)が巡錫し桓武天皇の勅願所として再興、四国八十八ヶ所霊場39番札所としました。土佐(高知県)の遍路を締めくくる札所で、第40番は伊予国(愛媛県)の観自在寺。

眼病にご利益ありの「眼洗いの井戸」

土佐路の西南端、「修行の道場」最後の霊場となるのが赤亀山寺山院延光寺。

延喜11年(911年)の銘が入った梵鐘は国の重要文化財。
総高33.6cm、口径23cmの小柄な鐘は、1匹の赤亀が背中に乗せて海中(龍宮城)から持ち帰ったものと伝えられ、山号の赤亀山はこの伝承から。
納経朱印も亀になっています。

境内にある宝医水(「眼洗いの井戸」)は空海が湧き出させたという伝説の霊水で眼病にご利益があるといわれています。

神仏習合時代の番外霊場「月山」(つきやま)は、役の行者(役小角)が山中で三日月の霊石を発見し月夜見命、倉稲魂命を奉斎したことに始まるという聖地です。
江戸時代までは、守月山月光院南照寺という神仏習合の寺でしたが、廃仏毀釈・神仏分離の荒波で廃寺となり、現在は月山神社(高知県幡多郡大月町月ヶ丘1443)となっています。
1858(安政5)年建立の大師堂もあるので、時間があれば寄り道を。

往時には金剛福寺を打ち終えた遍路修行者は番外の月山を詣でてから延光寺へ向かいました。

霊場間の距離・時間

38番札所・金剛福寺(高知県土佐清水市足摺岬) — (74km/2時間) — 39番札所・延光寺(高知県宿毛市平田町中山) — (30km/40分) — 40番札所・観自在寺(愛媛県宇和郡愛南町御荘平城)

取材・画像協力/高知県、(公財)高知県観光コンベンション協会

延光寺(四国八十八ヶ所霊場第39番札所)
名称延光寺(四国八十八ヶ所霊場第39番札所)/えんこうじ
Temple 39: Enkouji
所在地高知県宿毛市平田町中山390
関連HP四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで土佐くろしお鉄道平田駅からタクシーで5分
ドライブで高知自動車道四万十町中央ICから約67km
駐車場30台/無料
問い合わせ延光寺 TEL:0880-66-0225/FAX:0880-66-0558
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

四国八十八ヶ所 高知県の霊場〜修行の道場〜

四国八十八ヶ所霊場は、「発心の道場」である阿波(あわ=徳島県)の霊場23ヶ所を終えると、国をこえて土佐国、現在の高知県へと入り、「修行の道場」が始まります。室戸岬にある24番・最御崎寺(ほつみさきじ)に始まり、土佐路の西南端、宿毛にある39

観自在寺(四国八十八ヶ所霊場第40番札所)

愛南町御荘平城にある平城山薬師院観自在寺(かんじざいじ)。807(大同2)年、平城天皇の勅願所として、空海が創建した真言宗大覚寺派の古刹で、本尊の薬師如来と脇仏の阿弥陀如来、十一面観音菩薩は空海の作と伝わっています。四国八十八ヶ所で、愛媛県

金剛福寺(四国八十八ヶ所霊場第38番札所)

822(弘仁13)年、嵯峨天皇から補陀洛東門(ふだらくとうもん)の勅願を受けて空海(弘法大師)が創建したと伝えられる古刹が土佐清水市の足摺岬に建つ金剛福寺。四国の最南端・足摺岬に位置することから観世音菩薩が住む理想の世界(補陀洛法界)の地と

 

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