鮎返の滝

鮎返の滝

熊本県阿蘇郡南阿蘇村を流れる白川に懸かる唯一の滝が鮎返の滝(あゆがえりのたき)。白川の鮎がここから上流へと遡上することを拒むことが名の由来となった落差40mの巨瀑です。周辺はシイ、カシ、ケヤキ、カエデなどが茂る原生林となっています。

中央火口群噴出の溶岩流に懸かる滝

阿蘇カルデラの西端に位置する立野峡谷は、阿蘇カルデラ内の全河川の水がカルデラ外に流れ出る唯一の谷。
阿蘇の伝説では、健磐龍命(たけいわたつのみこと)が阿蘇外輪山を蹴破った場所と伝わりますが、阿蘇火山は、27万年前を初めとして、14万年前、12万年、9万年前(最大の噴火)と、4度にわたる大火砕流噴火を起こしているので、カルデラに雨水がたまったカルデラ湖も、複数回出現したと推測できます。

外輪山が浸食された立野峡谷には、白川に鮎返りの滝(落差40m)、黒川に数鹿流ヶ滝(落差60m)という2つの滝が懸っています。

鮎返の滝の滝は、阿蘇山が火砕流を噴出し、阿蘇カルデラを形成した後に噴出した中央火口群の鮎返ノ滝溶岩(輝石かんらん石玄武岩)に懸かる滝。
中央火口丘群の噴出物では最も古い溶岩に懸っていますが、どこから噴出したかは、その後の他の火山活動(立野溶岩流、赤瀬溶岩流)に覆われているため不明なのです。

以前は、黒川と白川の合流点付近に落ちていたと推測され、浸食で数万年をかけて1200mも後退し、現在の位置に達していると考えられています。
流水の浸食による数キロメートルもの滝の後退は、阿蘇カルデラのスケールと数万年にわたる時の流れを感じさせてくれます(現在、鮎返の滝の下流に立野ダムの建設が始まっています)。

従来は駐車場が観瀑台となっていましたが、熊本地震の被害を受け、立ち入りが規制されています。
最新の情報を確認して、アプローチを。

鮎返の滝
名称 鮎返の滝/あゆがえりのたき
所在地 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽・河陰
関連HP 南阿蘇村公式ホームページ
駐車場 15台/無料
問い合わせ 南阿蘇村産業観光課 TEL:0967-67-1111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
数鹿流ヶ滝

数鹿流ヶ滝

熊本県南阿蘇村を走る国道57号沿いにある落差60m、幅20mの巨瀑で、日本の滝百選にも選ばれている名瀑が数鹿流ヶ滝(すがるがたき)。阿蘇大橋からも眺めることができますが、国道57号沿いの駐車場から徒歩5分で観瀑台。平安時代末、阿蘇大宮司の巻

 

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