長部田海床路(海中道路)

長田部海床路(海中道路)

熊本県宇土市にある有明海の海中へと続く海中道路が長部田海床路(ながべたかいしょうろ)。干潮時だけに現れる海に続く漁業用道路で、満潮時には1kmほど続く道路に並走する24本の電柱と電線だけが海中に残されます。晴れていれば対岸に普賢岳を眺め、夕日の美しい絶景スポット。道路は漁業関係者の専用道で先端には漁船を係留。

普賢岳を眺める日没時には絶景が

干満差の大きい有明海(宇土市では最大5m)で特産の海苔養殖、アサリやハマグリなどの採貝漁業を営む漁業者のために昭和54年に住吉漁業協同組合が建設したもので、干潮時に道路が現れた際に軽トラックで水揚げした特産の海苔やアサリなどの貝を運んだり、船へ物資を供給するもの。
電柱が並び、電線が張られているのは船が道路に座礁しないように夜間に電灯を灯すため、つまりは灯標の代わりです。

平成20年に大分むぎ焼酎「二階堂」のCM『消えた足跡』に登場して話題に、さらにスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画『千と千尋の神隠し』(日本歴代興行収入第1位のヒット作、平成13年公開)で、銭婆(ぜにーば)の元へ訪れる千とカオナシが乗車した「海原電鉄」(うなばらでんてつ)の風景にそっくりとSNSでも話題になりました。

海の中に電柱が立ち並ぶ光景は、満潮の2時間前後が見頃です。
逆に干潮時には、沖を目指して走る軽トラックの列を見ることも。
夜には海中(あるいは干潟)に電灯が灯る奇観が現れます。

現在、海苔の消費量が減少傾向で、海苔養殖漁業者も減少しつつあり、住吉漁業協同組合でも海苔のさらなるブランド化などを図っています。
打開策のひとつとして住吉漁業協同組合婦人部では、海苔生産者の家庭で昔から食されてきた「海苔の佃煮」を商品化しているので、有明海の海苔とともにおみやげにぜひ。

有明海の干満差を活かした同様の海中道路は、同じ宇土市の長浜漁港(2ヶ所)、熊本県玉名市岱明町の岱明海床路、そして佐賀県太良町の海中道路があります。

長部田海床路(海中道路)
名称 長部田海床路(海中道路)/ながべたかいしょうろ(かいちゅうどうろ)
所在地 熊本県宇土市住吉町長部田(住吉海浜公園)
関連HP 宇土市公式ホームページ
電車・バスで JR三角線住吉駅から徒歩20分
ドライブで 九州自動車道城南スマートICから約17km
駐車場 住吉海岸公園駐車場を利用
問い合わせ 宇土市商工観光課 TEL:0964-22-1111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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