その名の通り、美しい緑の山々に囲まれた京都府南丹市美山町。なかでも北の集落は、全世帯の半数以上が茅葺き民家で、南丹市美山町北伝統的建造物群保存地区(国の伝統的建造物群保存地区)に指定されています。背後には北山杉が林立する山が迫り、茅葺きの屋根の家並み、田んぼに小川と、まさに日本の原風景。
茅葺きの屋根の並ぶ美しい山里
由良川の最上流、河岸段丘上の若狭街道(小浜街道)沿いに開けた農村集落で、東西600m、南北300mの範囲に「北山型」(入母屋造りで千木、破風などの構造美に優れる型)と呼ばれる茅葺き民家およそ50戸(集落の6割)が点在しています。
北側に北山杉が茂る緑深い山並み、南側に石垣で固めた階段状の屋敷地に茅葺き民家が並び、美しい農村風景から多くの観光客を集め、カメラマンにも人気の地。
鎌倉時代以降は丹波国桑田郡知井庄で、慶長7年(1602年)に天領(幕府領)、寛文4年(1664年)からは篠山藩(ささやまはん)領となり、北山杉茂る山林は享和2年(1802年)から禁裏御料(きんりごりょう=皇室の所領)となって守られてきました。
南丹市美山町北伝統的建造物群保存地区(背後の森林を含めた127.5ha)に指定される北は、南、中の集落とともに知井庄11ヶ村の中心部。
万が一の火災に備え、集落内には62基の放水銃が設置され(集落内各所にある小さな小屋は放水銃格納小屋)、春秋に点検を兼ねた一斉放水も行なわれています。
以前は茅の葺き替えは50年に一度でよかったのですが、現在は、囲炉裏で煙を上げることがなくなったため、煙での防虫・防腐効果が期待できなくなったことで、20年に一度の葺き替えを余儀なくされ、多大な経費が必要なこと、そして茅葺き職人、茅を供給する茅場の維持など難題も抱えています。
集落では、有限会社かやぶきの里を組織し、「お土産処 かやの里」、「お食事処 きたむら」、「きたむら きび工房」、「かやぶきのお宿 またべ」、「カフェ・ギャラリー 彩花」、「かやぶきの里」オンラインストアを経営し、茅葺き集落の維持管理に務めています。
「かやぶきのお宿 またべ」は、1日1組限定、つまりは茅葺き民家を貸し切りで利用できる宿泊施設で、「昔ながらの田舎料理」を味わうことができます(2名〜14名で予約可能)。
南丹市美山町北伝統的建造物群保存地区 | |
名称 | 南丹市美山町北伝統的建造物群保存地区/なんたんしみやまちょうきたでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく |
所在地 | 京都府南丹市美山町北 |
関連HP | 南丹市美山観光まちづくり協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR京都駅からJRバス高雄・京北線(周山行き)で1時間19分、終点下車、南丹市営バス静原行きに乗り換えて31分、安掛下車、南丹市営バス知見口行きに乗り換えて12分、かやぶきの里下車 |
ドライブで | 京都縦貫道園部ICから約33km |
駐車場 | 10台/有料 |
問い合わせ | 南丹市美山観光まちづくり協会 TEL:0771-75-1906/FAX:0771-75-9040 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag