京都市街の北西、京都市右京区の上嵯峨にある標高924mの山。山城国と丹波国との国境近くに位置し、山頂に火伏せの神を祀る愛宕神社が鎮座しています。京の都で最初に朝日を拝む山ということで朝日峰(あさひがみね)とも呼ばれてきました。山腹にはシャクナゲの美しい月輪寺、空也滝などがあります。
頂上に愛宕神社が鎮座する天狗伝説の霊山
明治初年の神仏分離、廃仏毀釈までは、天応元年(781年)、和気清麻呂(わけのきよまろ)、慶俊僧都が建立した白雲寺が建ち、神仏習合の愛宕大権現を祀っていました。
愛宕大権現の勝軍地蔵(将軍地蔵)が本尊(本地仏)だったため、中世から軍神として信仰され、明智光秀も本能寺の変の直前に、参詣し、連歌の会「愛宕百韻」(あたごひゃくいん)を催し、さらに徳川家康も江戸に愛宕大権現(勝軍地蔵)を勧請しています(これが東京都港区の愛宕神社)。
表参道登山口の清滝(二の鳥居)から山頂まで徒歩2時間。
水尾から徒歩2時間、櫁原(しきみがはら)から徒歩1時間30分、首無地蔵から徒歩50分。
清滝から愛宕山に登り、水尾の里、保津峡に抜けるコースは京都で人気のハイキングコースとなっています。
愛宕山は、愛宕太郎坊天狗という大天狗に率いられた天狗たちの住処(すみか)ともされていましたが、実は、愛宕山で修行する修験者たちが天狗と伝わったわけと推測でき、愛宕山は鞍馬寺の護法魔王尊とともに「天狗伝説の発祥の地」ともいわれています。
愛宕山鉄道鋼索線(愛宕山鉄道ケーブル)
昭和4年~昭和19年に、京福嵐山駅に隣接する嵐山駅~清滝駅まで愛宕鉄道(普通鉄道3.4km/平坦線)が走り、さらに今の表参道の北側にケーブルカー(愛宕山鉄道鋼索線2.0km)も架けられていました。
表参道の水尾分岐近くにあったケーブル(愛宕山鉄道鋼索線)愛宕駅近くには愛宕山ホテルも営業していましたが(昭和5年7月20日開業)、戦時下の昭和19年に廃業となり、今はともに廃墟となっています(廃墟内への立ち入りは危険です)。
山麓の愛宕鉄道(普通鉄道)の軌道跡は京都府道137号(清滝鳥居本線)に転用され、途中の清滝トンネルが信号による交互通行で狭く暗いのは鉄道トンネルをそのまま転用したから。
清滝駅跡は今は京都バスの清滝の転回所になっています。
愛宕山 | |
名称 | 愛宕山/あたごやま |
所在地 | 京都府京都市右京区嵯峨愛宕町 |
関連HP | 京都府警察公式ホームページ |
電車・バスで | JR京都駅から京都バス清滝行きで51分、終点下車、徒歩2時間 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約15kmでさくらや青木駐車場 |
駐車場 | さくらや青木駐車場(100台/有料)、駐車場から徒歩2時間 |
問い合わせ | 京都府右京警察署 TEL:075-865-0110 |
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