善峯寺

善峯寺

長元2年(1029年)、源算上人が創建した京都・西山の名刹で、後一条天皇より国家鎮護の勅願所とされたのが善峯寺(よしみねでら)。天台宗の単立寺院で、西国三十三所第20番札所。応仁の乱で焼失した寺を再興したのは、5代将軍・徳川綱吉の生母、桂昌院。綱吉の厄除けのために寄進した釣鐘堂が現存しています。

徳川綱吉の生母・桂昌院ゆかりの寺

善峯寺
善峯寺
善峯寺
境内から京都市街を眼下に

境内にある檜皮葺き(ひわだぶき)の多宝塔は国の重要文化財。
左右50mに渡って枝を伸ばす「遊龍の松」(ゆうりゅうのまつ)は桂昌院の手植えの五葉松で、国の天然記念物に指定されています。

起伏に富んだ境内に伽藍が配され、桜、アジサイなど四季の花が咲くためカメラマンに人気。
経堂近くに咲くのが、桂昌院お手植えと伝わる樹齢300年にもなる枝垂れ桜。
この枝垂れ桜はモミジとの合体木で、2本の古木が絡み合った珍しい結び木となっています。
JR東海のCM「そうだ 京都、行こう。」(平成11年)で放映されて有名になり、4月上旬~中旬の桜の開花期には多くの人出で賑わいます。
キャッチコピーは、「ここの桜のように一年でたった一回でもいい。人をこんなにも喜ばせる仕事ができればなんて思いました」。

山全体が寺域という善峯寺は紅葉も実に見事。
紅葉の見頃は、例年11月中旬〜12月上旬頃です。
紅葉もJR東海のCM「そうだ 京都、行こう。」(平成17年)で放映されています。
キャッチコピーは、「平安時代に、ここでなくてはいけないと、わざわざ場所を選んで造られたお寺でした。だから、わざわざここへ来なければ会えなかった秋でした」。

ちなみに、「たらちをの 願いをこめし寺なれば われも忘れじ 南無薬師仏」は、桂昌院が善峯寺の薬師如来に奉じた歌と伝えられ、善峯寺は玉の輿に乗ったお玉(桂昌院)にあやかる「出世薬師」としても信仰されています。

善峯寺
善峯寺
善峯寺
観音堂
桂昌院と善峯寺
桂昌院(1624年〜1705年)は、『徳川実記』によれば、京都堀川西藪屋町、八百屋・仁右衛門の娘、お玉。
お玉は美人として界隈で有名でしたが、伊勢内宮慶光院住持の付女中として江戸城へ入り、春日局の部屋子時代に3代将軍徳川家光に見初められ、側室となり、子(綱吉)を産んでいます。
慶安4年(1651年)に家光が死ぬと26歳で出家し、筑波山知足院に入ります。
徳川綱吉が将軍職に就くと江戸城三の丸に入り、大奥に権勢をふるうように。
綱吉の生類憐みの令は、桂昌院の勧めによるところが大きいともいわれています。
桂昌院の父、仁右衛門は、善峯寺に帰依しており、父の死後、お玉と、母は2年半の間、善峯寺に奉仕しています。
信心深い桂昌院は京都の寺の復興にも力を注いでいますが、善峯寺境内にある「文殊寺宝館」はゆかりの品など300点を収蔵し、4月〜6月と10月〜11月の土・日曜、祝日に公開を実施(詳しくは善峯寺のホームページを参照)。

善峯寺 3つのチェックポイント

西山三山のひとつで桂昌院ゆかりの寺
花と紅葉の寺で庭園から京都を一望に
春秋に宝物を特別公開

西国三十三所霊場間の距離・時間

19番・革堂 行願寺(京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町) — (20km/50分) — 20番・善峯寺(京都市西京区大原野小塩町1372) — (20km/40分) — 21番・穴太寺(京都府亀岡市曽我部町穴太東辻46)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です

善峯寺
名称 善峯寺/よしみねでら
所在地 京都府京都市西京区大原野小塩町1372
関連HP 善峯寺公式ホームページ
電車・バスで JR向日町駅・阪急京都本線東向日駅から阪急バスで32分(東向日駅からは28分)、善峯寺下車、徒歩3分。またはJR向日町駅・阪急京都本線東向日駅からタクシーで20分
ドライブで 京都縦貫自動車道沓掛ICから約6.7km、大原野ICから約6km。紅葉シーズンなど小塩三叉路にてマイカーの進入制限実施
駐車場 150台/有料
問い合わせ 善峯寺 TEL:075-331-0020/FAX:075-332-8342
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
善峯寺・遊龍の松

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善峯寺・多宝塔

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