京都府京都市左京区の鞍馬山にある、京の鬼門鎮護の鞍馬寺(くらまでら)。清少納言が「近うて遠きもの」の例にあげた九十九折参道途中にある由岐神社は、天慶3年(940年)、天慶の乱(てんぎょうのらん)が勃発した際、朱雀天皇の勅により、御所に祀られた由岐大明神を鞍馬寺に遷宮した京の北方鎮護の社です。
鞍馬寺の鎮守社で京の北方鎮護を担う
天慶2年(939年)、関東の平将門の乱(たいらのまさかどのらん)、瀬戸内海で起きた藤原純友の乱(ふじわらのすみとものらん)の総称が天慶の乱。
大宝律令に始まる律令制度が衰退し、武家政治へと移り変わる過渡期にあたり、承平8年(938年)には京で大地震が起こり(その結果、天慶に改元)、空也が京に入り念仏を広めるなど、不穏な空気が京の都を包んでいました。
こうした世相を背景に、朱雀天皇は、天下泰平と万民幸福を祈念し、鞍馬寺の鎮守社として由岐神社を遷座し、平安京の北方鎮護の役割を担わせたのです。
有名な『鞍馬の火祭』(毎年10月22日)は、由岐神社の遷宮の際、里人が篝火(かがりび)を持って神霊を迎えたことによるものだと伝えられています。
慶長12年(1607年)、豊臣秀頼再建の拝殿は、左右2つに分かれ、中央に通路をとった割拝殿(わりはいでん) という珍しい建物で、国の重要文化財。
子供を抱いている珍しい狛犬(京都国立博物館に寄託)も国の重要文化財に指定されています。
由岐神社は、鞍馬寺の境内にあるために、鞍馬寺の入山料である「愛山料」が必要。
由岐神社 | |
名称 | 由岐神社/ゆきじんじゃ |
所在地 | 京都府京都市左京区鞍馬本町1073 |
関連HP | 由岐神社公式ホームページ |
電車・バスで | 鞍馬山ケーブル多宝塔駅から徒歩40分 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約20kmで鞍馬ケーブル鞍馬山門駅 |
駐車場 | 仁王門周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 由岐神社 TEL:075-741-1670/FAX:075-741-3220 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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