日本三景に数えられる松島は、松島丘陵の東端が沈降して誕生した海岸で、大小約230の島嶼からなっています。江戸時代に定着した「松島四大観」(まつしましだいかん )は、大高森展望台(東松島市)、多聞山展望台(毘沙門堂)(偉観/七ヶ浜町)、富山展望台(富山観音堂)(麗観/松島町)、扇谷展望台(幽観/松島町)の4ヶ所。
江戸時代に船山萬年が選んだ4つの大観
文政年間(1820年頃)、仙台藩の儒学者で『塩松勝譜』(えんしょうしょうふ)の著者、船山萬年が選んだもの。
「東に大高森の壮観、西に扇谷の幽観、南に多聞山の偉観、北に富山の麗観」と讃えたのが松島四大観です。
歌川広重『六十余州名所図会』は、五畿七道の68ヶ国と江戸からそれぞれ1ヶ所ずつ、名所を選んだもので、陸奥国(むつのくに=現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県)を代表する景観は、富山展望台(富山観音堂)で、『松島風景富山眺望之略図』。
ただし、当時の入江は干拓されて水田になっている場所も多く、往時とは異なっています。
同様に多聞山展望台(毘沙門堂)も眼下の海岸は干拓整備され、火力発電所が建っています。
大高森展望台|壮観|東松島市
通称:大高森
所在地:宮城県東松島市宮戸
眺望:松島湾を東側の奥松島から眺望。松島湾はもちろん、牡鹿半島や金華山まで一望にするワイドな眺めはまさに「壮観」
ワンポイントアドバイス:カメラマンが松島を撮るのも大半が大高森展望台です
ドライブで:三陸自動車道鳴瀬奥松島ICから約10km
多聞山展望台(毘沙門堂)|偉観|七ヶ浜町
通称:多聞山
所在地:宮城県宮城郡七ヶ浜町代ヶ崎浜八ヶ森
眺望:眼前に馬放島(鹽竈神社の御神馬が老いたときに放たれることが名の由来)、地蔵島を眺める迫力ある光景はまさに「偉観」
ワンポイントアドバイス:多聞天像を安置する毘沙門堂が建つのが名の由来で、毘沙門堂の裏手が旧来の展望地です
ドライブで:三陸自動車道仙台港北ICか約9km
富山展望台(富山観音堂)|麗観|松島町
通称:富山
所在地:宮城県宮城郡松島町手樽三浦
眺望:東南西の三方が一望にできるワイドビューが広がり、歌川広重も『六十余州名所図会』に描いた絵になる光景は、まさに「麗観」
ワンポイントアドバイス:『奥州名所図絵』に「松島の景悉く(ことごとく)富山にあり」と記される、古来からの絶景の地として名高いのが富山です
ドライブで:三陸自動車道松島北ICから約6.5km
扇谷展望台|幽観|松島町
通称:扇谷
所在地:宮城県宮城郡松島町松島桜岡入
眺望:松島湾の入江が扇のように眺められる異色の光景が名の由来で、仙台藩主も茶亭を築いた眺めはまさに「幽観」
ワンポイントアドバイス:紅葉の素晴らしさでも有名で、紅葉の見頃は例年10月下旬~11月上旬頃
ドライブで:三陸自動車道松島海岸ICから約4km
松島四大観とは!? | |
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