秋保温泉

秋保温泉

宮城県仙台市太白区秋保町にある「奥州三名湯」に数えられる温泉が秋保温泉(あきうおんせん)。共同浴場は「秋保温泉共同浴場」1ヶ所ですが、日帰り入浴可能な宿が多く、仙台に近いことから日帰りでの利用客も多いのが特徴。周辺には秋保大滝など景勝地も多く、宿泊してのんびりとするのに最適な温泉地です。

昔ながらの共同浴場は1ヶ所

皇室の御料温泉にもなり、「名取の御湯」として、別所温泉(信濃御湯)、野沢温泉(犬養御湯)とともに「日本三御湯」にも数えられています((いわき湯本温泉=三函御湯を数える場合も)。
泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、よく温まることからリューマチ、神経痛などに効能があるとされています。

秋保温泉には、第29代欽明天皇が在位中(531年〜539年)に小瘡(皮膚病)に感染し、湯を秋保温泉から運んで快癒し、それで御料温泉になったという伝説がありますが、朝廷の東北守備の最前線となる多賀城(たがじょう/たかのき)が置かれるのが神亀元年(724年)とされるので、あくまで伝説の域を出ない話です。

中世から佐藤家が湯守を続け、仙台藩伊達家の御殿湯の湯守もこの佐藤家が担っていました。
その佐藤家の末裔が「伝承千年の宿 佐勘‎」で、館内の「名取の御湯」の周囲を取り囲む格子は、御殿湯を再現したものだとか(宿泊者専用の風呂です)。
この湯守・佐藤家は、入湯税のような湯銭(ゆせん)を徴収し、仙台藩に御役代(おやくだい)を上納していたことから、入湯客や宿泊者の数が推測できますが、江戸時代初期には年間数十人分しかなく、温泉地として発展したのは江戸時代後期以降だということが判明しています。

大正3年、仙台・長町から石材の運搬を主目的に馬車軌道(秋保石材軌道)が通じ、その後電化されて大正14年に秋保電気軌道となった(コンクリートの普及に伴い、石材需要が低下し、旅客運搬が中心になった)ことから秋保も温泉地として発展。
この秋保電気軌道(昭和19年に秋保電気鉄道に改称)は、昭和36年に廃止されていますが、宮城交通の前身にもなっています。
また秋保温泉駅の跡は、秋保グランドホテル駐車場に転用され、駅の名残はありません。

秋保温泉周辺には景勝地も多く、温泉を流れる名取川は磊々峡(らいらいきょう)と呼ばれる峡谷になっており、散策に絶好(名取川の源流部が二口峡谷です)。

秋保大滝入口に秋保大滝不動尊(西光寺)が祀られていますが、平安時代の初期、円仁(慈覚大師)が山寺を開く直前に開基と伝えられる古刹です。
秋保温泉から秋保大滝に向かう途中にある小滝沢橋は、秋保の眼鏡橋と呼ばれる石橋なので、時間が許せば見学を。

名称 秋保温泉/あきうおんせん
所在地 宮城県仙台市太白区秋保町湯元
関連HP 秋保温泉旅館組合公式ホームページ
ドライブで 東北自動車道仙台南ICから約9km
問い合わせ 秋保・里センター TEL 022-304-9151/FAX:022-304-9152
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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磊々峡

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