薬師寺・東院堂

薬師寺の東院堂は養老年間に吉備内親王(きびないしんのう)が平城京に遷都した女帝・元明天皇(げんめいてんのう)の冥福を祈り建立したもの。境内東側、東回廊の外に位置しています。973(天禄4)年の火災で焼失後、1285(弘安8)年に再建された建物は、禅宗の影響を多分に受けた鎌倉時代の建物で国宝。本尊聖観世音菩薩も国宝です。

国宝・聖観世音菩薩を安置

奈良時代には観音池の横にありましたが再建時に現在地に移されています。
1285(弘安8)年の再建時には南向きに建てられていましたが、1733(享保18)年に西向きに変更されています。

高い基檀の上に建つのは、水害・湿気を避けるための工夫で鎌倉期建築の特徴。

堂内には、白鳳仏を代表する本尊で国宝・聖観世音菩薩(銅造観音菩薩立像)が安置され、その四方は鎌倉時代の四天王像が守護しています。
像高188.9cmの本尊は、飛鳥時代後期(白鳳時代)または奈良時代(7〜8世紀)の作。

四天王像は東に持国天(じこくてん)、南に増長天(ぞうちょうてん)、西に広目天(こうもくてん)、北に多聞天(たもんてん)が安置されています。

本尊は、年中拝観することができますが、国宝展などで出陳される場合もあるので、聖観世音菩薩像拝観がお目当ての際には、確認の上に出かけましょう。

薬師寺は「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録。

薬師寺・東院堂
名称薬師寺・東院堂/やくしじ・とういんどう
Yakushiji temple,Toindo(Meditation Hall)
所在地奈良県奈良市西ノ京町457
関連HP薬師寺公式ホームページ
電車・バスで近鉄橿原線西ノ京駅から徒歩2分。またはJR奈良駅から奈良交通バス六条山行きで18分、薬師寺下車すぐ
ドライブで西名阪自動車道郡山ICから約7.5km。第二阪奈道路宝来出口から約5km
駐車場薬師寺駐車場(100台/有料)
問い合わせ薬師寺 TEL:0742-33-6001/FAX:0742-33-6004
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
霊山寺・本堂

霊山寺・本堂

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薬師寺・西塔

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薬師寺・東塔

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薬師寺・金堂

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薬師寺・回廊

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薬師寺・大講堂

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薬師寺

薬師寺は680(天武天皇9)年、藤原京に天武天皇が菟野讃良皇后(うののさららひめみこ=のちの持統天皇)の病気平癒のため発願し創建された法相宗の寺で、平城京遷都とともに奈良に移されたもの。日本に仏教が伝えられた時代のままの伽藍(薬師寺式伽藍)

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