奈良県奈良市、柳生街道(滝坂の道)、能登川の渓流の巨岩に刻まれた三尊仏が柳生街道・朝日観音。文永2年(1625年)の銘があり、朝日観音と呼ばれてはいますが、観音菩薩ではなく、中央が弥勒菩薩(みろくぼさつ)で左右に地蔵菩薩を配した菩薩像。朝の光に照り映える美しさがその名の由来です。
実は観音菩薩ではなく、弥勒菩薩
そもそも菩薩は、悟りの境地を開いた如来に次ぎ、まだ悟りの境地に到達していない仏のこと。
弥勒菩薩は、釈迦の入滅から56億7000万年後、仏となってこの世にくだり、衆生を救済するという菩薩。
つまりは、釈迦の次に如来の位につくと約束された菩薩ということに。
対して観音菩薩は、人々の救いを求める声を聞くとただちに救済する慈悲深い菩薩です。
観音菩薩と弥勒菩薩では大いに違いががあり、正しくは「朝日弥勒」もしくは「朝日菩薩」なのですが、朝日観音と通称されています。
柳生街道(滝坂の道)には朝日観音のほか、夕日観音(ともに鎌倉時代から戦国時代の弥勒信仰隆盛を背景にした弥勒菩薩)、寝仏などがあり、柳生街道の柳生側の入口には柳生疱瘡地蔵(やぎゅうほうそうじぞう)が街道時代の名残りとして現存しています。
柳生街道は文化庁の「歴史の道百選」にも選定(奈良県では三重県境の伊勢本街道・飼坂峠越と2ヶ所)。
柳生街道・朝日観音 | |
名称 | 柳生街道・朝日観音/やぎゅうかいどう・あさひかんのん |
所在地 | 奈良県奈良市百毫寺町 |
電車・バスで | JR・近鉄奈良駅から奈良交通市内循環、山村町行きなどのバスで、砕石町下車、徒歩50分 |
ドライブで | 京奈和自動車道木津ICから約7km。西名阪自動車道天理ICから約10kmで春日大社駐車場 |
駐車場 | 春日大社駐車場(100台/有料)などを利用 |
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