雪隠(せっちん)とはトイレのこと。明日香村平田地区にある不思議な巨石が鬼の雪隠と呼ばれていますが、遊歩道を挟んだ反対側の鬼の俎(まないた)とセットになっており、鬼が付近を通る旅人を俎の上で料理し、雪隠(トイレ)で用を足したのだという伝説の巨石です。
石棺式石室の石棺部分が露出したもの
高松塚古墳や、キトラ古墳、牽牛子塚古墳と同じ、石棺式石室の内径1.5m、高さ1.3mの石室部分が鬼の雪隠。
長さ4.5m、約2.7m、厚さ1mの底石部分にあたるのが鬼の俎です。
石舞台古墳と同様に、盛土がなくなくなったものという。
欽明天皇陵の陪塚と推測されています。
では、底石はといえば、それが鬼の俎ということになりますが、数十メートル離れているため、どうやって巨石を運んだかという疑問が残ります。
まな板が傾斜地の上方にあり、雪隠が下方にあるので、地震などで滑り落ちたというのが答えになっています。
684(天武天皇13)年の白鳳の大地震(はくほうのおおじしん)、さらには宝永地震(1707年)、安政東海・南海地震(1854年)などによって転がり落ちたという可能性は、大いにありえます(都塚古墳でも地震の影響と思われる亀裂などが発見されています)。
ただし、未完成のまま放置されたものとの説、一つの墳丘に二つの石槨(天智天皇の第二皇子の健皇子と祖母の斉明天皇の合葬)をもつ合葬墓だという説もあり、定かでありません。
現在、宮内庁が欽明天皇陵の陪塚として管理しているので、残念ながら立ち入ったり、岩に触れることはできません。
鬼の雪隠・鬼の俎 | |
名称 | 鬼の雪隠・鬼の俎/おにのせっちん・おにのまないた Oni-no Settchin Stone(The Devil’s Privy) Oni-no-Manaita Stone(The Devil’s Chopping Board) |
所在地 | 奈良県高市郡明日香村野口・平田 |
関連HP | 明日香村公式ホームページ 明日香村観光ポータルサイト |
電車・バスで | 近鉄吉野線飛鳥駅から徒歩15分 |
ドライブで | 南阪奈道路葛城ICから約14km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 明日香村地域振興公社 TEL:0744-54-4577 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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