奈良時代に越後・塩沢地方(現在の新潟県南魚沼市一帯)で織られた麻布が正倉院に保存されているほど、塩沢の織物の歴史は古く、雪深い塩沢で、農閑期の家内仕事の代表が織物でした。塩沢つむぎ記念館は、ユネスコ無形文化遺産、国の重要無形文化財に指定される越後上布をはじめ、塩沢紬、本塩沢、夏塩沢と塩沢の織を紹介するミュージアムです。
塩沢の伝統的な機織りを見学・体験する
ユネスコ無形文化遺産、国の重要無形文化財に指定される越後上布も、鈴木牧之(すずきぼくし)が『北越雪譜』(ほくえつせっぷ)に描いた雪深い風土のなかで生まれた織物。
東大寺の正倉院には「庸布」(税の対象物)として納められた麻布が保管されています。
越後上布は、イラクサ科の多年草「苧麻(ちょま)」の繊維を使い、気の遠くなるような作業で木の繊維を卓越した技術で細い糸にし、それを織り上げるもの。
地機(居座機)を使って機織りし、湯揉みと足踏みによって仕上げを行なった生地を、さらに初春に雪晒しによって漂泊しています。
ただし、この越後上布、熟達の技術が必要とされ、非常に高価なため、今では幻の織物になりつつあります。
越後上布の技術を、江戸時代の寛文年間(1661年~1672年)の頃に絹織物に応用したのが「本塩沢(塩沢お召)」の始まり。
縦糸には生糸と玉繭からつくった玉糸と使い、さらに横糸は真綿から紡いだ真綿糸を使って織るのが「塩沢紬」。
たて糸とよこ糸ともに生糸・玉糸の強撚糸「駒糸」を使うのが、通気性のある「夏塩沢」です。
三国街道塩沢宿に建つ記念館の1階(入場無料)は塩沢の織物を使用して製作された生地工芸品を展示販売するコーナーで、小物づくりの体験も可能。
2階(見学料が必要)は織工房・資料室で塩沢の伝統的な織物ができるまでの工程を見学でき、簡単な織物体験が楽しめます。
近くには鈴木牧之記念館も建っているので、時間があればあわせて見学を。
塩沢つむぎ記念館 | |
名称 | 塩沢つむぎ記念館/しおざわつむぎきねんかん Shiozawa Tsumugi Museum |
所在地 | 新潟県南魚沼市塩沢1227-14 |
関連HP | 塩沢つむぎ記念館公式ホームページ |
電車・バスで | JR塩沢駅から徒歩2分 |
ドライブで | 関越自動車道塩沢石打ICから約8.5km。または、六日町ICから約6.9km |
駐車場 | 8台/無料 |
問い合わせ | 塩沢つむぎ記念館 TEL:025-782-4888/FAX:025-782-1148 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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