新潟県新潟市北区、220種以上の野鳥、350種以上の植物が確認されている福島潟(ふくしまがた)。新潟砂丘の発達で誕生した海跡湖(潟湖)で、環境省の「日本の重要湿地500」、「21世紀に残したい日本の自然100選」に選定された湖沼で、湖の北岸が水の公園福島潟として整備されています。
福島潟北岸一帯を湖畔公園として整備
オニバス(開花は8月上旬~9月中旬)の自生の北限地、国の天然記念物「オオヒシクイ」の飛来数日本一(毎年3000羽以上)を誇っています。
オオヒシクイはロシアのカムチャツカ半島などで夏の間に子育てを行ない、秋になると群れで日本にやってきます(福島潟のほか、宮城県の蕪栗沼、石川県の片野鴨池、滋賀県の琵琶湖が飛来地として有名)。
展望・潟情報発信施設水の駅「ビュー福島潟」、温水プール「遊水館」、新潟県立環境と人間のふれあい館、休憩施設「潟来亭」(かたらいてい)、水の公園福島潟キャンプ場、蔵の宿「菱風荘」(貸別荘的に利用できる施設)が整備され、全体が水の公園福島潟となっています。
4月中旬~5月上旬には潟来亭周辺3haに菜の花が、8月上旬~9月頃にはソバの花が開花。
11月~2月には、白鳥(コハクチョウ、オオハクチョウ)が飛来します(最大飛来数4000羽、白鳥は午前8:00頃までが観察時間、エサやりは不可能)。
福島潟には10以上の河川が流入していますが、放水の役目を果たす河川が新井郷川のみのため、過去には昭和41年・42年など水害も発生。
福島潟から新潟東港まで続く全長6.2kmの福島潟放水路が平成15年3月13日に開通しています。
ちなみに福島潟の名の由来は定かでなく、昔、福という庄屋の娘が叶わぬ恋の末に潟に身を投げたことから、「お福の潟」と呼ぶようになったともいわれています。
福島潟は新潟砂丘の発達で生まれた潟湖
信濃川が上流から海へと土砂を運び、その土砂が海底に砂州(さす)を形成して堆積。
海底の砂州は成長して海上に姿を現し、さらに砂州、砂嘴(さし)となって海岸線が沖へと進出します。
さらに砂が冬の季節風などで内陸側へ運ばれ砂丘を形成。
こうして、誕生した砂丘列が新潟市の海岸線に連なる新潟砂丘です。
砂丘の発達で、海が取り残された海跡湖が潟湖で、福島潟は鳥屋野潟とともにその代表格です(砂丘と砂丘の間の水部は砂丘湖で、物見山砂丘内の凹地に発達した新潟市東区のじゅんさい池、亀田砂丘の凹地にある新潟市江南区の北山池などが該当します)。
昭和40年代に行なわれた国営福島潟干拓建設事業により193haの大きさまで縮小されましたが、湖岸堤などの整備で、干拓地が一部潟に戻り、現在の面積は262ha。
周辺にある内沼潟や黒山潟も干拓の結果生まれた潟で、かつては福島潟の一部でした。
加茂湖(佐渡市)に次ぐ、新潟県第2の湖になっています。
3月には環境保全のための『ヨシ焼き』も
毎年3月には早春の風物詩『ヨシ焼き』(野焼き)も行なわれていますが(近隣市町村、土地改良区、漁業協同組合で作る福島潟環境保全対策推進協議会が実施)、ヨシの新芽の成長促進、害虫駆除、富栄養化防止、潟植物の育成環境の維持などを目的としたもの。
古いヨシを焼くことで潟の陸地化や樹林化を防ぐ役割をも果たしています。
水の駅「ビュー福島潟」または自然学習園から見学可能。
福島潟(水の公園福島潟) | |
名称 | 福島潟(水の公園福島潟)/ふくしまがた(みずのこうえんふくしまがた) |
所在地 | 新潟県新潟市北区前新田乙493 |
関連HP | 水の公園福島潟公式ホームページ |
電車・バスで | JR豊栄駅から徒歩30分、タクシーで5分 |
ドライブで | 日本海東北自動車道豊栄新潟東港ICから約3.6km |
駐車場 | 125台/無料 |
問い合わせ | 水の駅「ビュー福島潟」TEL:025-387-1491 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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