懐古園(小諸城址)

小諸駅の西側に位置する懐古園は、小諸城の城跡。信玄の軍師だった山本勘助が縄張りしたという小諸城は、城下町よりも一段低い位置に築かれた珍しい「穴城」。11の丘と12の谷で構成される19万平方メートルの広大な城跡公園となっており、春は桜の名所、秋は紅葉が見事。「日本さくら名所100選」、「日本の歴史公園100選」に選定。

小諸城三の門が城址公園となった懐古園の入口

千曲川に臨む水の手展望台
水の手展望台からの千曲川の眺め
三の門と児童遊園地を結ぶロードトレイン(無料)
三の門近くに建つ「徴古館」

懐古園入口(入園口)にあたる小諸城の三の門(国の重要文化財)、本丸に天守台跡や懐古神社、千曲川(ちくまがわ)を見下ろす「水の手展望台」といった史跡、博物園的な「徴古館」、小諸市立藤村記念館、小諸市立小山敬三美術館、小諸市動物園、小諸市児童遊園地などがあります。

文豪島崎藤村の『千曲川旅情のうた』、「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ」でも知られる懐古園ですが、千曲川を望む水の手展望台にはその詩碑も立てられています。
これは藤村の友人である有島生馬の発案で昭和2年に建立したもの。

小諸市動物園

信玄の命で『風林火山』の山本勘助が縄張り!?

天守台の石垣
天然の谷を掘割に利用
1543(天文12)年、武田信玄は小諸城を攻略すると、山本勘助に縄張りを命じ、小諸城の原形となる城郭が完成。
千曲川に臨み、大手門より本丸の方が標高が低いという奇想天外な「穴城」です。

山本勘助が造ったと伝えられる中世の城は、地形を巧みに利用し、周囲に土塁を巡らす程度のものだったと想像されます。
もともと小諸周辺には浅間山の噴火物が積もった火山灰土の台地が浸食され、深い谷で区切られた「田切地形」が多いのが特長。

懐古園にも地獄谷、北谷、弥津谷、もみじ谷、南谷など深く刻まれた谷がありますが、それをそのまま小諸城の堀割として機能させたのです。

まず最初に、勘助は、ひとつの尾根に目を付けました。
尾根の先端は千曲川に臨んで断崖となり敵は容易に近づけません。その先端部に本丸を割り当てます。
本丸から東に向かって尾根上に二の丸、三の丸と一直線に配置すれば、尾根の南北は深い谷だから、本丸を攻略するには、三の丸から順番に攻め落とす必要が生じるというわけなのです。

現在の小諸駅があるあたりがちょうど三の丸だから、駅から本丸(懐古神社)を目指して歩けば、「山本勘助生涯の傑作」といわれる縄張りが実感できる仕組み。

ちなみに大手門は駅近く、懐古園とは線路を隔てた北側に現存しています。

春には桜、秋には紅葉が見事!

徳川秀忠が本陣を構えた二の丸
南の丸跡の石垣

小諸城が、現在残るような近世的な城郭になったのは1590(天正18)年、仙石秀久の入城後。
関ヶ原合戦の際に、上田城攻撃の担った徳川秀忠が本陣を構えた場所にもなっています。

江戸時代には小諸藩の藩庁が置かれ、その後は松平氏、青山氏、酒井氏などが城主を務め、1702(元禄15)年に牧野康重が移封された後は牧野氏の居城となり、明治維新を迎えています。

園内にはソメイヨシノやヒガンザクラ、ヤエザクラなど400本を超える桜が植栽されており、「日本さくら名所100選」にも選定。
小諸固有のコモロヤエベニシダレは八重の花弁と紫がかった濃い紅色の美しい花を咲かせる、全国的にも珍しい桜。

桜の見頃は例年4月中旬〜4月下旬(4月中旬~ソメイヨシノ、4月下旬~コモロヤエベニシダレ)で、『懐古園桜まつり』期間中には夜桜見物も可能(日没〜22:00の間、ライトアップを実施)。

桜満開の小諸城三の門
『懐古園桜まつり』期間中は夜桜見物も
懐古園(小諸城址)
名称 懐古園(小諸城址)/かいこえん(こもろじょうし)
所在地 長野県小諸市丁311
関連HP 小諸市公式ホームページ
電車・バスで JR・しなの鉄道小諸駅から徒歩5分で三の門
ドライブで 上信越自動車道小諸ICから約3km
駐車場 213台/有料
問い合わせ 小諸市懐古園事務所 TEL:0267-22-0296
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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