長野県塩尻市宗賀平出にある縄文時代から平安時代にかけての大集落跡が、平出遺跡。茅野市の尖石遺跡、静岡県静岡市の登呂遺跡とともに、日本三大遺跡にも数えられています。現在までに290軒を超える住居跡や建物跡が出土し、一帯は平出遺跡公園として整備され、竪穴式住居、高床倉庫などが復元されています。
中心となるのは縄文時代中期の遺構
JR中央本線・塩尻駅から南西2km、ぶどう畑が一面に広がる桔梗ヶ原にある遺跡で、渋川沿い東西1km、南北300mにわたって帯状に広がっています。
平出遺跡公園として整備される遺跡は、古代の農村(平安時代)、縄文廃絶集落、縄文の村、古代の農村(古墳時代)、古代の作物栽培に分かれています。
縄文時代の遺構は、早期から晩期まで見つかっていますが、最も栄えたのは116軒の住居が出土した縄文時代中期(4500年前~5500年前)です。
古墳時代の遺構としては、80軒以上の住居・建物跡が見つかっており、住居内からは土師器(はじき=素焼の土器)、須恵器(古墳時代中頃に朝鮮半島から伝わった青灰色をした硬い土器)といった土器や鉄器などが出土しています。
平安時代の遺構は、遺跡内全域に分布し、50軒以上の住居・建物跡が発見されています。
出土品には土師器、須恵器のほか釉(うわぐすり)を施した灰釉陶器が加わり、平安時代の京都・洛北、尾張で焼成されていた緑釉陶器(りょくゆうとうき=無色の基礎釉である鉛に、銅化合物を加えることで緑色に発色する釉をかけた古代の陶器)も発掘されています。
併設される「平出遺跡公園ガイダンス棟」(入館無料)には、ガイダンスコーナー、休憩コーナー、展望室が設けられ、「火起こし」や「勾玉づくり」など、原始・古代に関するいろいろな体験学習も実施(土器づくりなどは事前の予約が必要)。
隣接する平出博物館では平出遺跡から出土した土偶、土器、石器、鉄器などを中心に、塩尻市内の遺跡から出土した遺物を展示しています。
平出遺跡 | |
名称 | 平出遺跡/ひらいでいせき |
所在地 | 長野県塩尻市宗賀1011-3 |
関連HP | 塩尻市平出博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR塩尻駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 長野自動車道塩尻ICから約5km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 平出博物館 TEL:0263-52-1022/FAX:0263-52-1295 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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