長崎県雲仙市、雲仙温泉を代表する観光名所が雲仙地獄。今も噴気を上げる地獄地帯の雲仙地獄で、もっとも盛んな火山活動の場所が大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)。大叫喚地獄展望所が設けられ、間近で噴気現象を観察することが可能です。気温の下がる冬場は、湯気で周囲がまったく見えないほどに。
雲仙地獄で活発な活動を続けるのは、東端
大叫喚地獄は、仏教における地獄の8つの形相(八大地獄)のひとつで、音を立てて噴気を上げることが「大いに叫び喚く」地獄と表現したのだと推測できます(雲仙地獄では仏説に基づき、地獄の名称が30ほど付けられています)。
雲仙には現在、30ヶ所の地熱地帯がありますが、その地獄的景観の筆頭が、この大叫喚地獄です。
雲仙の地名は、大宝元年(701年)、僧行基によって開山した温泉山満明寺の山号に由来し、昭和9年の雲仙国立公園制定時までは、温泉と書いて「うんぜん」と読ませていました。
それほど、火山活動が活発だった地で、雲仙地獄(昭和9年以前は温泉地獄=うんぜんじごく)では、東側ほど活動が活発で、西に行くほど沈静化しています。
東端に位置する大叫喚地獄は、もっとも活発ということに。
大叫喚地獄から西に数百メートルの場所にある旧八幡地獄付近は、熱水変質によって生じた白い岩石が観察できるものの、現在、噴気活動はほとんど観察できません。
それどころか、ススキ、アカマツなどが侵入しだしているので、地獄跡と呼ぶのが正解。
雲仙地獄の西端に位置する原生沼は、すでに活動を終え、湿原になっています。
このことから、雲仙の地獄地帯は、徐々に東に移動していると推測でき、今後数十年という単位で、さらに東へと移動する可能性があります。
雲仙地獄(雲仙温泉)はユネスコ世界ジオパークに登録の島原半島ジオパークのジオサイトにもなっています。
雲仙地獄・大叫喚地獄展望所 | |
名称 | 雲仙地獄・大叫喚地獄展望所/うんぜんじごく・だいきょうかんじごくてんぼうしょ |
所在地 | 長崎県雲仙市小浜町雲仙 |
関連HP | 雲仙温泉観光協会オフィシャルサイト |
電車・バスで | JR諫早駅から県営・島鉄雲仙行きバスで1時間20分、雲仙ビジターセンター前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 長崎自動車道諫早ICから約34km |
駐車場 | 第一〜第五駐車場(186台、※第三駐車場は閉鎖中)、雲仙温泉神社駐車場(21台)、満明寺駐車場(13台)/有料 |
問い合わせ | 雲仙温泉観光協会 TEL:0957-73-3434 |
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