山巓毛

山巓毛

沖縄県糸満市、糸満港を走る沖縄県道256号(豊見城糸満線)沿いにある展望台が、山巓毛(さんてぃんもう)。標高25mほどの石灰岩の丘陵で、周辺は公園として整備され、展望台からは糸満港、糸満市街を一望にするほか、慶良間諸島まで眺望できます。

かつては海に臨む半島状の高台で、南山王・他魯毎終焉の地

山巓毛

沖縄で群雄割拠した三山時代(さんざんじだい)の1429年、南山王国(なんざんおうこく)最後の王となった他魯毎(たるみい)が、中山の尚巴志王(しょうはしおう)の三山(中山・山北・山南)統一の過程で攻撃を受け、妻子とともに自害した場所で、これによって第一尚氏王統による琉球王国最初の統一王朝が成立しています。

南山王・他魯毎は、尚巴志の持つ金屏風を欲するあまり、豊かな水量で南山城下の田畑を潤し、南山繁栄の基盤をなした嘉手志川(かでしがー)を交換し、尚巴志が中山に帰属するもののみに嘉手志川の使用を許したため、他魯毎は重臣や領民の信望を失ったことが要因になったとも。

山巓毛は埋め立てによって内陸部に位置するようになりましたが、かつては海に面する岬状の丘で、航路や漁場を選定する山当ての際の目印に利用されてきました。
糸満漁師が異郷で遭難し死亡した時などの拝所(うがんじゅ)としても機能していました。

旧暦4月27日にはこの山巓毛で鉦打ち(東の方角から時計回りに南、西、北の順で5回ずつ鉦を鳴らす行事)が行なわれ、6日後の旧暦5月4日に『糸満ハーレー』の出発の旗もここで振り下ろされています。
山巓毛で鉦が鳴らせるとと梅雨も明け、糸満に本格的な夏の到来を告げるといわれています。

山巓毛
一帯は山巓毛公園として整備されています
山巓毛
名称 山巓毛/さんてぃんもー
所在地 沖縄県糸満市字糸満23
関連HP 糸満市公式ホームページ
ドライブで 那覇空港から約10km
駐車場 あり/無料
問い合わせ 糸満市観光・スポーツ振興課 TEL:098-840-8135/FAX:098-840-8155
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
南山城(島尻大里城)

南山城(島尻大里城)

沖縄本島南部の沖縄県糸満市にある琉球三山分立時代(14世紀頃)に栄えた城(グスク)が南山城(島尻大里城)。かつての高嶺間切(間切=地域)にあるため高嶺城とも、島尻大里間切とも呼ばれたため島尻大里城とも呼ばれ、三山時代(琉球統一前、北山王、中

嘉手志川

嘉手志川

沖縄県糸満市大里の南山城跡(なんざんぐすくあと)近くにある湧水が嘉手志川(かでしがー)。三山時代に栄えた南山王の居城・南山城は大里按司(おおざとあじ)をはじめとする南山王統の居城。玉城、知念にまで及ぶ一大勢力を誇りましたが、その繁栄を支えた

 

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