ほぼ全域が「耶馬日田英彦山国定公園」に含まれる国の名勝が大分県中津市の耶馬渓(やばけい)。なかでも絶景として知られる岩峰群が、青の洞門の背後にそびえる競秀峰(きょうしゅうほう)です。青の洞門を南の青集落へと抜け直下から仰ぐ方法、山国川の対岸から見上げる方法のほか、山腹を巡る競秀峰探勝道を歩くという手もあります。
岩峰連なる、『耶馬溪図巻記』にも描かれた天下の名勝
競秀峰の名は、宝暦13年(1763年)、この地を訪れた江戸・浅草寺の金龍和尚が命名したもの。
19世紀初頭に山国谷を歩いた文人・頼山陽(らいさんよう)が、その南画(文人画)のような素晴らしさに感嘆、中国風の文字をあてて「耶馬渓天下無」と詠み、文政元年(1818年)に『耶馬溪図巻記』を描いてから、天下の名勝として脚光を浴びるようになりました。
明治20年、初めて耶馬渓を訪れ、天下の奇観に魅せられて、青地区に骨を埋めたのが小野桜山(おのおうざん)です(昭和12年6月26日没)。
今日では山陽の足跡が及んだ地のみならず、耶馬渓という名も広範囲にわたっていますが、なかでもいちばんのみどころは、競秀峰。
山国川上流に面した岩峰が、約1kmに渡って屏風を開いたように連なり、一の峰、二の峰、三の峰、恵比須岩、鬼面岩、大黒岩、妙見岩、殿岩、釣鐘岩、陣の岩、八王子岩など、岩石、森林、渓流の調和美は、見事のひと言。
競秀峰一帯の景観保全のため、福沢諭吉が土地を買収したことはナショナルトラスト運動の先駆けともいわれています。
競秀峰探勝道を利用しての競秀峰への縦走登山は、青の洞門北側・観光案内所、青の洞門南側・公共駐車場、弘法寺に登山口がありますが、地上25mのところに鎖場もあるので足回りはしっかりと。
お手軽なのは、弘法寺から陣の岩の展望台まで(片道20分)。
または青の洞門北側・観光案内所から一の峰まで(片道15分)
本耶馬渓・競秀峰 | |
名称 | 本耶馬渓・競秀峰/ほんやばけい・きょうしゅうほう |
所在地 | 大分県中津市本耶馬渓町曽木 |
関連HP | 中津市公式ホームページ |
電車・バスで | JR中津駅から大分交通バス日田方面行きで30分、青の洞門下車すぐ |
ドライブで | 大分自動車道玖珠ICから約30.2km。または、宇佐別府道路宇佐ICから約23.9km |
駐車場 | 青の洞門公共駐車場・耶馬溪橋公共駐車場を利用 |
問い合わせ | 中津市本耶馬渓支所地域振興課 TEL:0979-52-2211 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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