大分県中津市の耶馬渓(やばけい)のなか、標高250mの羅漢山中腹に位置する、全国羅漢寺の本山といわれる古刹が羅漢寺(らかんじ)。山号は耆闍崛山(ぎしゃくつせん)、本尊は舎利塔に納められた仏舎利(ぶっしゃり)です。羅漢とは釈迦の高弟のことで、境内には国の重要文化財に指定の3700体以上の石仏が安置されています。
南北朝時代に祀られた石仏が現存、国の重要文化財に!
寺伝によれば、大化元年(645年)、インドの僧、法道仙人による洞窟修禅が起源との伝説が残りますが、南北朝時代、臨済僧の円龕昭覚(えんがんしょうがく)が岩窟に十六羅漢を祀り、幻住庵(げんじゅうあん)を建立。
これが「古羅漢」と呼ばれる岩山の史実に残る始まりで、中国の天台山、ひいては聖地・天竺(インド)をイメージしたものだったとか。
その後、昭覚は、山麓に智剛寺(ちごうじ)を開山。
その智剛寺も戦国時代の戦火で荒廃し、慶長5年(1600年)、鉄村禅師(てっそんぜんし)により再興、曹洞宗に改められました。
現在の諸堂は、昭和18年の火災後に再建されたものですが、寺域には3700体以上の石仏が点在し、国の重要文化財に指定されています。
なかでも無漏窟(むろくつ)に安置されている五百羅漢(ごひゃくらかん)は、昭覚が、延元4年(1339年)に中国から来日して庵を結んだ僧・逆流建順(げきりゅうけんじゅん)とともに、この岩窟に築いたと伝わる石仏群。
この石仏群の完成で、時の将軍・足利義満(あしかがよしみつ)から羅漢寺の寺号を与えられています。
岩窟中央には釈迦如来を安置するなど、山岳密教的要素も見て取れます。
また室町時代建立という山門の脇には、普覚禅師(ふかくぜんじ)が刻んだと伝わる千体地蔵も残されています。
山麓の駐車場から羅漢寺まで耶馬渓観光リフトの利用も可能。
羅漢寺 | |
名称 | 羅漢寺/らかんじ Rakanji Temple |
所在地 | 大分県中津市本耶馬溪町跡田1501 |
関連HP | 中津市公式ホームページ |
電車・バスで | JR中津駅から大分交通バス全路線10分、中島下車、徒歩すぐ |
ドライブで | 大分自動車道玖珠ICから約29km |
駐車場 | 羅漢寺公共駐車場(50台/無料) |
問い合わせ | 羅漢寺 TEL:0979-52-2538 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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