埼玉古墳群(さきたま古墳公園)

埼玉古墳群(さきたま古墳公園)

埼玉県行田市にある、9基の大型古墳で構成される埼玉古墳群を公園化したのが、さきたま古墳公園。埼玉県では唯一、国の特別史跡に指定される埼玉古墳群は、東日本最大の古墳群です。古墳の保護を目的に公園化されていますが、一部は古墳に上ったりすることも可能で、巨大な古墳を存分に楽しむことができます。

国内屈指の規模の古墳群は、埼玉県で唯一の国の特別史跡

埼玉古墳群を形成するのは、埼玉古墳群で最も古く、最も北に位置する稲荷山古墳、丸墓山古墳、二子山古墳、将軍山古墳、瓦塚古墳、鉄砲山古墳、奥の山古墳、中の山古墳、愛宕山古墳の9基で、5世紀後半から7世紀中頃にかけて、大宮台地の北端に連続して築かれた古墳群です。

直径105mで、日本2位(1位は奈良市・富雄丸山古墳)の大きさを誇る円墳の丸墓山古墳(6世紀初め/埼玉古墳群の中で、唯一の大型円墳)や、金錯銘を有する鉄剣(国宝)が出土した稲荷山古墳(墳丘長120m、前方後円墳/5世紀後半)、埼玉県最大の前方後円墳の二子山古墳(墳丘長132.2m、前方後円墳/6世紀前半)、将軍山古墳(墳丘長90m、前方後円墳/6世紀末)など、園内には古墳群9基を中心に「埼玉県立さきたま史跡の博物館」、「将軍山古墳展示館」、薬用植物園などの施設が備わっています。
埼玉県立さきたま史跡の博物館」の国宝展示室には稲荷山古墳の出土品で、国宝の金錯銘鉄剣などが展示され、必見の価値があります。

「埼玉県立さきたま史跡の博物館」前の駐車場を起点に、古墳めぐりが可能です。

埼玉古墳群の大型古墳で上ることができるのは、丸墓山古墳と稲荷山古墳のみ。
とくに丸墓山古墳に上れば、埼玉古墳群を一望にできます。

天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原攻めの一環で、石田三成が忍城(おしじょう)を水攻めにしますが、その際、忍城がよく見える丸墓山古墳の上に陣を張ったという伝承が残されています。
さきたま古墳公園の駐車場から丸墓山古墳へと続く道の一部は、この時築かれた堤防(石田堤)の跡。
今も丸墓山古墳の墳頂から北西に目を向けると、再建された忍城御三階櫓を視認できます。

「埼玉県立さきたま史跡の博物館」に飲食できる施設はないので、飲食物は持参し、レストハウスなどの利用を。

丸墓山古墳の頂上と斜面にソメイヨシノが植栽されるほか、古墳を囲む遊歩道、古墳に至る石田堤にも桜並木が連なり、例年3月下旬〜4月上旬頃に見頃を迎えます。

ちなみに、古墳群のある行田市埼玉(さきたま)が埼玉県名発祥の地です。

埼玉古墳群(さきたま古墳公園)
埼玉古墳群(さきたま古墳公園)
名称 埼玉古墳群(さきたま古墳公園)/さいたまこふんぐん(さきたまこふんこうえん)
所在地 埼玉県行田市埼玉4834
関連HP 行田市公式ホームページ
電車・バスで JR吹上駅から朝日バス佐間経由行田車庫行きで15分、産業道路下車、徒歩15分。JR北鴻巣駅からさきたま緑道を徒歩1時間
ドライブで 東北自動車道羽生ICから約14km
駐車場 さきたま古墳公園駐車場(295台/無料)
問い合わせ 行田市観光協会 TEL:048-556-1111/FAX:048-553-5063
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

丸墓山古墳

行田市にある古墳で、埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)の一基が丸墓山古墳。直径105m、高さ18.9m、日本最大規模の円墳で、稲荷山古墳同様に上ることができ、墳頂からは、隣に稲荷山古墳、さらにその先に将軍山古墳が眺望できます。映画『のぼうの城

稲荷山古墳

行田市にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)で最初に築造されたと推測される古墳が稲荷山古墳。5世紀後半に造られた全長120mの前方後円墳で、古墳の上に小さな稲荷社があったのがその名の由来。前方部は昭和12年の沼地の干拓工事による土石採取で破

二子山古墳

埼玉県行田市にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)の中央、稲荷山古墳の南に位置する前方後円墳が二子山古墳。前方部と後円部という2つの山が連結したような形状が名の由来で、墳丘長132.2mは、古代の武蔵国(むさしのくに)では最大、東日本でも第

将軍山古墳

行田市にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)の一基で、6世紀後半に築かれた全長90mの前方後円墳が将軍山古墳。後円部にあった横穴式石室が明治27年に発掘され、馬具や環頭太刀(かんとうたち)などの副葬品が出土しています。下忍村(現・行田市下忍

中の山古墳

行田市にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)にある古墳の一基で、古墳群でもっとも南に位置しているのが中の山古墳。西側に奥の山古墳(前方後円墳)が並び、東に方墳(ほうふん=四角形の古墳)であるの戸場口山古墳(とばぐちやまこふん)があり、その真

奥の山古墳

行田市の埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)にある全長66mの前方後円墳で、同じ渡柳地区にある戸場口山古墳(とばくちやまこふん/現存せず)、中の山古墳のなかで奥まった最北にあるのが名の由来です。周囲に台形の二重周濠を有しており、昭和43年に内濠

瓦塚古墳

行田市の埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)にある全長73mの前方後円墳が瓦塚古墳。ビジターセンターとなっている「さきたま史跡の博物館」にもっとも近い古墳が、この瓦塚古墳です。埼玉古墳群の特徴である、長方形で二重の周濠(しゅうぼり)が巡り、前方

愛宕山古墳

行田市の埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)にある全長53mという小型の前方後円墳が愛宕山古墳。埼玉古墳群の中央駐車場の東に隣接しますが、墳頂に上ることはできません。埼玉古墳群の前方後円墳としては最小の古墳ですが、周辺の大型前方後円墳と同じく二

石田堤

映画『のぼうの城』で一躍有名になった、石田三成の忍城水攻め。その水攻めの際に築かれたのが石田堤と通称される総延長28kmに及ぶ堤です。行田市堤根地区から鴻巣市袋地区にかけて、250mが現存し、石田堤史跡公園として、埼玉県の史跡となっています

埼玉県立さきたま史跡の博物館

埼玉県の県名発祥の地、行田市埼玉(さきたま)にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)のビジターセンターが埼玉県立さきたま史跡の博物館。5世紀末〜7世紀初め頃までに築造された9基の大きな古墳が埼玉古墳群で、「さきたま風土記の丘」として整備されて

将軍山古墳展示館

行田市にある埼玉古墳群(さいたまこふんぐん)の一基で、前方後円墳の将軍山古墳の墳丘を利用して造られたガイダンス施設が将軍山古墳展示館。荒廃し崩落寸前だった墳丘部をドームで覆い、内部に1階に出土した埴輪(はにわ)や土層断面を展示、2階に石室(

 

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