山口貯水池(狭山湖)

狭山湖

狭山湖は、正式には山口貯水池といい、昭和9年に東京都の水源確保のために東京都と埼玉県にまたがる狭山丘陵を利用して造られたアースダム形式の貯水池。多摩川の水を小作取水堰、羽村取水堰から水を取り入れ、東京都側にある村山貯水池(多摩湖)と連絡管でつながり一体運用されています。

大正時代の東京市の水不足を背景に誕生した貯水池

狭山湖の湖水は、村山貯水池(多摩湖)と連絡管でつながり一体運用され、東村山市の東村山浄水場、武蔵野市の境浄水場へと導かれ、東京都の上水道に利用されています。

大正時代の東京市の第一水道拡張事業で、村山貯水池(多摩湖)、山口貯水池(狭山湖)が誕生し、さらに東京市の市内に境浄水場(昭和10年)、和田堀給水所(昭和9年)が整備され、送水が行なわれて東京市部の水不足を解消したのです(その後の水不足は小河内ダムを築き、奥多摩湖で解消)。
境浄水場と和田堀給水所を結ぶ、送水管の上の道が、井の頭通りで、東京屈指の直線道路となっています。

ダム湖100選にも選定されるほか、周辺は県立狭山自然公園として整備されています。

狭山湖は埼玉県の「狭山丘陵いきものふれあいの里」の「スポット1・水鳥の楽園」に指定され、冬季にはマガモ、カンムリカイツブリなどの水鳥の越冬地となっています。
湖畔には桜の木が植えられ、春には2万本のソメイヨシノが咲き誇る桜の名所としても有名。

湖を一望する展望広場には東屋が建てられ、堤の中央にはバードウォッチングに最適な展望デッキも設置されています。
湖からの富士の眺めも素敵です。
駐車場は堰堤の北側に第1、南側(西武球場側)に第2があります。

サイクリングロードの東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線は、山口貯水池建設の際に羽村〜山口間に敷設された軽便鉄道の廃線跡です。

湖の北岸にある根古屋城(ねごやじょう)は、山口高忠が明徳・応永年間((1390年~1428年)に築城した中世の城。
残念ながら水資源の保護地域としてフェンスに囲まれて立ち入ることができません。

山口貯水池(狭山湖)
名称山口貯水池(狭山湖)/やまぐちちょすいち(さやまこ)
所在地埼玉県所沢市勝楽寺25-2
関連HP所沢市公式ホームページ
電車・バスで西武狭山線・山口線西武球場前駅から徒歩8分
ドライブで関越自動車道所沢ICから約13km
駐車場所沢市営狭山湖第1駐車場(40台/20分まで無料、以降有料)・第2駐車場(40台/20分まで無料、以降有料)
問い合わせ所沢市商業観光課 TEL:04-2998-9155
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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