埼玉県大里郡寄居町と深谷市の境に位置し、南は荒川に臨む標高329.8mの山が鐘撞堂山。東の山腹、深谷市側には霧ヶ谷津池を中心に鐘撞堂山ふるさとの森が広がっています。また西麓には円良田湖があり、登山の起点にもなっています。鉢形城の見張り場として、合図の鐘を置いたのが山名の由来です。
戦国時代、山頂に危急を知らせる鐘を置いたのが名の由来
北条氏邦(ほうじょううじくに=後北条氏第3代目当主・北条氏康の五男)は、甲斐国の武田氏への防御の拠点として永禄11年(1568年)に鉢形城を築いていますが、氏邦の義父・北条康邦は鐘撞堂山の山上に鐘撞堂を築いています。
鐘打鐘阿弥と呼ばれる堂守が守備し、鐘を鳴らして城下、周辺の城に危急を告げたのだと伝えられています。
往時の鐘は、天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原攻めの際、前田利家、上杉景勝、真田昌幸ら3万5000の大軍で鉢形城が攻められた際(1ヶ月の籠城戦後、開城)、破却されたと伝えられています。
現在は、物見台風の展望台、復元された鐘が配置され、戦国乱世の鐘撞堂山を偲ぶことができます。
ハイキングルートは、円良田湖の南岸からのコース(徒歩35分)、円良田湖北の円良田からのコース(徒歩30分)、鐘撞堂山ふるさとの森側からの北コース、西コース、南コースと3ルート(所要40分〜1時間)があり、1時間以内のハイキングで山頂まで到達できます。
駅を起点とする場合はもっともポピュラーな東武東上線・秩父鉄道・JR八高線寄居駅からだと大正池を経由して1時間10分。
秩父鉄道・波久礼駅を起点とする場合は、徒歩30分で円良田湖南岸なので、山頂までは1時間5分の行程ということに。
低山ながら「熊出没注意」の看板があるほど、豊かな自然が残されています。
物見に使われただけあって山頂からは快晴なら、東京スカイツリーまで眺望。
鐘撞堂山 | |
名称 | 鐘撞堂山/かねつきどうやま |
所在地 | 埼玉県大里郡寄居町末野・深谷市武蔵野 |
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