湖北の「観音の里」と呼ばれる滋賀県長浜市木之本町黒田にあるお堂が、黒田安念寺。地元、黒田の里では「いも観音」の名で知られる小さなお堂です。かつては七堂伽藍を誇った天台宗の寺で、織田信長軍の兵火、賤ヶ岳合戦の兵火で寺は焼失。貴重な仏像は村人が川底や田の中に埋めて守ったと伝わっています。
村人の機転で、戦火を逃れた貴重な観音像
江戸時代後期の文政年間(1818年〜1831年)、田の中に埋められていた諸仏を村人が掘り出し、余呉川で洗い清めて仮堂を建てて安置。
菩薩形立像(朽損仏)、如来形立像(朽損仏)など平安時代作という貴重な仏像も地中にあったため保存状態は良くなく、しかも17躰のうち7躰が盗難によって失われ、10躯が現存。
そんな10躯が「いも観音」と呼ばれるのも、風化が進んで芋に似た形状のため(地元では聖観世音菩薩と伝承)。
その姿から、村人たちは疱瘡、皮膚病を治す「身代わり観音さん」として信仰されてきました。
里人が守り続ける無住の寺のため(黒田安念寺のある西黒田は戸数10戸ほどの小さな集落)、堂内拝観は観音コンシェルジュ(長浜観光協会北部事務所内)に電話で確認が必要(観音コンシェルジュで、予約先の電話番号を教えてもらえます)。
観音堂の裏手の山から土砂が流れ込んだり、維持管理に費用がかかるため、安念寺いも観音保存会では、クラウドファンディングなどで修復費用を集め、令和3年8月8日に落慶法要が行なわれています。
寺のある黒田地区は、平成26年放送のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で一躍有名になった黒田官兵衛(黒田孝高)のルーツ、黒田家発祥の地といわれる、近江国伊香郡黒田村(現・滋賀県長浜市木之本町黒田)。
黒田安念寺 | |
名称 | 黒田安念寺/くろだあんねんじ |
所在地 | 滋賀県長浜市木之本町黒田2044 |
関連HP | 長浜観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR木ノ本駅から徒歩25分 |
ドライブで | 北陸自動車道木之本ICから約1.5km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 観音コンシェルジュ(長浜観光協会北部事務所内)TEL:0749-82-5909/FAX:0749-82-5913 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag