彦根城・西の丸三重櫓

彦根城・西の丸三重櫓

彦根城には、天守のない他の城なら十分に代用天守となるような立派な三重櫓が2つ築かれています。ひとつが山崎曲輪(やまざきくるわ)の三重櫓で、こちらは明治維新後に破却されていますが、西の丸三重櫓(にしのまるさんじゅうやぐら)は現存し、国の重要文化財に指定されています。城の搦手(からめて=裏側)を守る重要な櫓です。

彦根城の搦手、西の丸を守る重要な櫓は、天守のように立派

彦根城・西の丸三重櫓

本丸に隣接する西の丸の西北隅に築かれた櫓で、西側は出曲輪(でぐわ)が張り出し、その出曲輪との間には深い大堀切(おおほりきり=空堀)が築かれるなど、屈強な防備となっています。
西の丸三重櫓は、東側と北側にそれぞれ1階の続櫓(つづきやぐら)を備え、さらに防御を高めています。

西の丸内から見ると何の変哲もない3階建ての櫓ですが、大堀切の底から見上げれば、とてもよじ登ることはできないくらいに屹立(きつりつ)しています。

浅井長政(あざいながまさ)の居城、小谷城(おだにじょう=現・滋賀県長浜市/日本五大山城で琵琶湖から離れていたため秀吉は長浜城を築城して廃城に)の天守を移築したとの伝承がありましたが、解体修理の際に、それを裏付けるものは発見されていません。

『井伊年譜』には、築城当初、まだ幼かった井伊直継の補佐し、家康からも信任されていた家老・木俣守勝(きまたもりかつ)がこの櫓に出仕していました。

彦根城・西の丸三重櫓
名称彦根城・西の丸三重櫓/ひこねじょう・にしのまるさんじゅうやぐら
所在地滋賀県彦根市金亀町1-15
関連HP彦根城公式ホームページ
電車・バスでJR彦根駅から徒歩15分
ドライブで名神高速道路彦根ICから約2.8kmで二の丸駐車場
駐車場二の丸駐車場(40台/有料)・京橋口駐車場(160台/有料)・桜場駐車場(110台/有料)・大手前駐車場(25台/有料)
問い合わせ彦根城管理事務所 TEL:0749-22-2742/FAX:0749-22-2905
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
全国に現存する三重櫓 12基

全国に現存する三重櫓 12基

天守がない城や、天守が焼失し再建されなかった城では代用天守としても機能し、天守があった城でも、防備の拠点として重要な役割を担った櫓(やぐら)が、三重櫓。国内に数ある城郭の中で、往時の三重櫓は12基が現存、奇しくも現存12天守と同じ数です。弘

彦根城

彦根城

彦根城(滋賀県彦根市)は、姫路城などとともに国宝5天守の一つに数えられる名城で、約20年の歳月をかけて元和8年(1622年)頃に完成をみた彦根藩井伊家35万石の居城です。琵琶湖八景「月明・彦根の古城」に数えられるほど優美な姿を見せる天守は、

彦根城・天守

彦根城・天守

滋賀県彦根市、国宝に指定される彦根城・天守は、牛蒡積み(ごぼうづみ)と呼ばれる一見雑に見えるが実は強固という石垣の上に三重の天守をのせたもの。天守完成の慶長11年(1606年)には、彦根藩はまだ18万石。石高に合わせたやや小ぶりの天守となっ

彦根城・二の丸佐和口多聞櫓

彦根城・二の丸佐和口多聞櫓

彦根城の中堀に開く、南の京橋口、西の船町口、北の長橋口とともに4つの門のひとつが佐和口。その佐和口を守るのが佐和口多聞櫓(さわぐちたもんやぐら)で、国の重要文化財。大手の京橋口とともに彦根城の重要な城門です。二階二重の櫓門は明治初年に破却さ

彦根城・太鼓門櫓

彦根城・太鼓門櫓

彦根城本丸への登城道で最後の関門として立ちふさがるのが太鼓門櫓(たいこもんやぐら)。国の重要文化財に指定される太鼓門櫓は、門櫓の南側に屈曲に続櫓が備えられています。登城合図用の太鼓の音を響かせるためなのか(定かでありません)、東側の壁がない

彦根城・時報鐘

彦根城・時報鐘

彦根城・天秤櫓と天守の間にあるのが城内と城下に時を知らせた時報の鐘。元々は鐘の丸にありましたが、岩盤に反響して鐘の音が割れることが多かったので城下一帯に響き渡るようにと井伊直滋(いいなおしげ)の考案により現在地に移されたとか。今も1日5回時

彦根城・天秤櫓

彦根城・天秤櫓

正面から眺めると天秤のように左右が対となった彦根城の天秤櫓(てんびんやぐら)は、表門や大手門を入った道が合流する鐘の丸の空堀に面して建てられている要の櫓。鐘の丸とは廊下橋で結ばれている。空堀は表側の防備のためにある堀で、大堀切(おおほりきり

よく読まれている記事

こちらもどうぞ