知床峠VS見返り峠 どちらが絶景?

国道334号のうち、ウトロと羅臼を結び、世界自然遺産・知床に登録される山岳部分を山越えする道路が「知床横断道路」。例年11月上旬から4月下旬まで冬季通行止め(釧路開発建設部)となります。
熊の湯露天風呂のある羅臼町湯ノ沢地区から斜里町岩尾別の道道交差点(知床五湖への分岐点)までが冬季通行止めの区間。その最高地点が知床峠です。

峠のウトロ側は、網走開発建設部。峠の羅臼側は釧路開発建設部で、例年3月下旬に除雪作業が両側から始まります(ウトロ側の網走開発建設部は羅臼側に比べて1週間ほど早く始まります)。バックホー(バックホウ)と呼ばれる油圧ショベルやロータリー除雪車などをフル稼動させて除雪しますが、雪の多い年などはゴールデンウィークをまたいで開通することも。

しかも5月中旬〜下旬頃までは夜間通行止めとなるので、春先にウトロと羅臼をハシゴする場合には夜間通行止めにご注意を(夕方結構早い時間に=暗くなるのと同じに閉鎖となります)。

標高738m、知床横断道路の最高所が知床峠です。実は知床横断道路、建設時に自然保護団体(北海道自然保護連合)などとの協議の結果、貴重な自然を守るために知床峠以外に駐車場を設置しないことが決意されています。

現在、知床峠以外に車を停められるのは羅臼湖入口の停車帯のみ(駐車は禁止です)。

知床峠・国後島を眺望
知床峠・国後島を眺望

というわけで、車を停めてのんびりできるのは知床峠の駐車場だけなのです。駐車場脇にはトイレもありますが、そのトイレの裏側にご注目。生育する低木はすべてハイマツ。標高は738mですが知床峠は森林限界(樹木の生える高度限界)を超えた高山帯。天候が悪いときはブルブルと震えるほどのクールゾーンです。 眼前に羅臼岳が聳えますが、知床峠側から登山道はありません。登山道があるのは反対側の肩となる羅臼平からのみです。

峠には「知床峠」と刻まれた石碑もあります。その碑の裏側に刻まれた文面には、

「知床横断道路 この国道は、羅臼・斜里町両町民の悲願のもとに、昭和三十八年九月着工し、自然環境の保全につとめながら、厳しい気象と劣悪な地理的条件を克服し、十八年の歳月をもって開通した。ここに、本国道の開通を記念しこれを建立する。 区間・羅臼市街~斜里幌別分岐点 延長・二十七、三キロメートル」とあります。

そんな知床峠から羅臼側に下った標高650m地点には見返り峠があります。峠の西側にある標高734mのピークは目下売り出し中の「目梨望遥台」です。

峠というほどの峠ではありませんが、羅臼側から知床横断道路を上ってくると車窓から眼下に湯ノ沢地区や羅臼市街を眺めるのはここが最後となります。しかも紅葉、新緑の名所で羅臼岳の眺望も抜群。

「知床峠よりも見返り峠の方が景色がいい」という羅臼の人も多いのです。 見返り峠で写真を撮りたい場合は、羅臼湖トレッキングの帰路、羅臼湖入口バス停から車道の路側を車に注意しながら羅臼方面に少し歩けばOKです。

知床横断道路・紅葉

紅葉絶景ドライブ(1)知床横断道路

2018年9月21日

 

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