日御碕(ひのみさき)の突端、出雲日御碕灯台近くに建つ日御碕神社。神の宮(上の宮)に素盞鳴尊(すさのおのみこと)、日沈宮(下の宮)に天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀っています。『出雲国風土記』、『延喜式神名帳』に記される古社で、日本遺産「日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~」の主要な構成要素です。
3代将軍・徳川家光の命で再建された社殿が現存
社伝によれば、素盞鳴尊は出雲の国造の後に熊成峯(くまなしのみね)に登り、柏葉を風で占うと日御碕先端の隠ヶ丘にとまったとか。
隠ヶ丘と呼ばれる遺跡は、社殿の背後にあり、神紋の柏葉の化石がある神紋岩も残されています(風化して化石は判別できません)。
鎌倉時代以降、幕府や武将の崇敬も篤く、現存する権現造りの社殿14棟は、1625(寛永21)年、3代将軍・徳川家光の命による幕府直轄工事で再建されたもの。
桃山時代の面影をのこす貴重な神社建築として国の重要文化財に指定されています。
宝物の源頼朝寄進の白糸縅甲冑(しろいとおどしかっちゅう)は国宝。
聖なる島、経島を遥拝!
目の前に浮かぶ経島(ふみしま)は、日沈宮の旧社地。
今も年に一度、8月7日の例祭(神幸祭・みゆきしんじ)に宮司だけが渡ることのできる聖なる島となっています。
天平7年乙亥の勅に、「伊勢大神宮は日の本の昼の守り、出雲の日御碕清江の浜に日沈宮を建て日の本の夜を守らん」とあり、経島に天照大神を奉斎してきました。
灯台の東、宇竜浦に浮かぶ権現島にある末社・熊野権現では、旧正月5日、日御碕神社の神官を迎えて「和布刈神事」(めかりしんじ)が行なわれ、この神事が終わるとワカメの採取が始まります。
日御碕の海底には人工とみられる石段や参道、祭祀跡とおぼしきものが地元ダイバーにより発見され、「海底遺跡では?」と話題になっています。
古代の地震で海の底に消えた境内なのかもしれませんが、科学的な調査はまだありません。
日御碕神社 | |
名称 | 日御碕神社/ひのみさきじんじゃ |
所在地 | 島根県出雲市大社町日御碕455 |
関連HP | 出雲観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR出雲市駅から一畑バス日御碕行きで45分、終点下車、徒歩2分 |
ドライブで | 松江自動車道出雲ICから約18km |
駐車場 | 日御碕神社駐車場(20台/無料) |
問い合わせ | 日御碕神社 TEL:0853-54-5261 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材協力/島根県観光振興課
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