万里集九の像

万里集九の像

岐阜県下呂市森、下呂温泉を流れる飛騨川(益田川)に架かる白鷺橋に立つのが、万里集九の像(ばんりしゅうくのぞう)。草津温泉、下呂温泉、有馬温泉を日本三名泉とした室町時代の禅僧で、その遺徳を讃えるため、平成27年8月3日、第68回『温泉感謝祭』(万里集九祭・林羅山祭)で除幕された像です。

日本三名泉」生みの親・万里集九を顕彰する像

下呂温泉では、その名を全国に広めた恩人ということで、三名泉生みの親の万里集九と、それを広めた江戸時代の林羅山(はやしらざん)の像を白鷺橋に建立、さらに『下呂温泉まつり』の一環で行なわれる『温泉感謝祭』で、両者を顕彰しています。

万里集九に関しては、日本三名泉発祥の地碑も白鷺乃湯(しらさぎのゆ)前に立てられ、日本三名泉発祥の地であることをPRしています。
室町時代、京都五山相国寺の僧・万里集九(ばんりしゅうく)は、延徳元年(1489年)、延徳3年(1491年)、下呂温泉に滞在(「予在飛之温泉、温泉所在日益田郡下櫓郷」/詩文集『梅花無尽蔵』)。
その際に著した詩文集『梅花無尽蔵』に「本邦六十余州、毎州有霊湯、其最者下野之草津、津陽之有馬、飛州之湯島三処也」と記しています。

実際に、万里集九が草津を訪れたことはなく、本来は、「上野之草津」とするところを「下野之草津」という致命的な間違いすらおかしています。

万里集九は、美濃国の禅源寺に住み、下呂温泉を湯治に使っているので、少し贔屓目(ひいきめ)だったかもしれませんが、草津、下呂、有馬は、室町時代から世に知られた温泉地だったことがわかります。

近代的な温泉地としての発展は、昭和5年11月2日の高山線(現・高山本線)の開通以降で、名古屋の実業家・2代目岩田武七(初代は名古屋初の乗り合いバス事業を開始した実業家で、2代目は靴メーカー、マドラスを創業)は、開通直後の昭和6年、「自然の霊泉に恵まれない、中京人士の唯一の慰安場たらしむと同時に山國飛騨の神秘を拓いて文化のパイオニアとして地方疲弊の窮状を救はん」と湯之島館を創業しています。
「地方疲弊の窮状を救はん」ということからも、温泉場としては衰退していたことがわかり、「優れた温泉、秀でた設備」とPRする豪華な(宿泊施設、温泉施設、ビリヤード場、社交場、舞踏場、日光浴室、バー、屋上テニスコートを完備)湯之島館の誕生で、中京の奥座敷として君臨するようになったのです。

万里集九の像
名称 万里集九の像/ばんりしゅうくのぞう
所在地 岐阜県下呂市森1089
電車・バスで JR下呂駅から徒歩10分
ドライブで 中央自動車道中津川ICから約53km。または、高山清見道路(中部縦貫自動車道)高山西ICから約59km
駐車場 下呂市営駐車場(59台/有料)
問い合わせ 下呂温泉観光協会 TEL:0576-24-1000/FAX:0576-23-0071
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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