浜松市街のすぐ南、市街地に隣接して広がる中田島(なかたじま)砂丘。日本三大砂丘のひとつにも数えられ、全長4km、幅は500m。大量の砂は、愛知県の渥美半島の海食崖が、波で削られて運ばれてきたもので、海岸線に沿って砂漠のように広がる美しい風紋が特徴的です。
夏はウミガメの産卵、冬は風紋が
中田島砂丘と呼ばれるのは、浜松市の海岸線、馬込川河口の西側部分。
砂丘の陸側は遠州灘海浜公園(公園面積60.07ha)で、中田島北地区に20.3haの石人の星公園(せきじんのほしこうえん)、砂丘に近い中田島中地区に風車公園、砂丘西側の白羽地区に凧場公園(たこばこうえん)が整備されています。
中田島砂丘探勝には、まずは中田島中地区の風車公園の風車南側駐車場に車を入れるのが便利です。また、風車公園には「浜松まつり会館」もあって、『浜松まつり』の熱気と凧合戦の模様を音と映像でリアルに再現しています。砂丘入口には「サンクチュアリネイチャーセンター」があり、『ウミガメ観察会』などを行なっています。
砂丘入口から海岸線まで、ぜひ歩こう!
風車南側駐車場を起点にすれば、海岸線までは直線で600m、徒歩15分ほど。
標高10mほどの入口から海岸へと下る感じですが、途中には標高5mほどの小山もあって、砂丘のイメージを盛り上げてくれます。
通年、海側から浜風(冬季は遠州からっかぜ)が吹くので、強風のときには見事な風紋が生まれ、カメラマンのシャッターチャンスとなっています。
中田島砂丘を産卵場所にしているのが、天然記念物のアカウミガメ。初夏から秋にかけてが産卵時期で、運が良ければアカウミガメの産卵に出会えるかもしれません。
近年は天竜川上流に設けられたダムの影響で、砂の堆積が減少し、海岸線が大きく後退。対策として堆砂垣(たいさがき)を設けて砂丘の面積減少を防いでいます。
ゴールデンウィークには『浜松まつり』の凧揚げ会場に
映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』(平成22年)、TBS系テレビ『ヘブンズ・フラワー』(平成23年)ロケ地。
ユニークなところでは平成24年頃から、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や、民間チームのHAKUTO(ハクト)の月探査計画で使用する月面ロボット試作機のテストも、中田島砂丘で行なわれています。
中田島砂丘が月探査ローバー試作機の性能テストに使われるのは、中田島砂丘には広大な砂の山が広がり、月面の地形と似ているから。
月面探査機は月面のレゴリス(非常に眼の細かい砂)をクリアしなければりませんが、ひとまず、中田島砂丘が日本でもっとも月面に似た地形ということに。
ゴールデンウィークに行なわれる『浜松まつり』の凧揚げ会場としてもで有名ですが、実際に訪れてみると市街地に隣接してこれほど大きく美しい砂丘があることに驚嘆! 景観重視派の「日本三大砂丘」には鳥取、九十九里と並んで中田島がノミネートされているのが充分に納得がいきます。
日本三大砂丘は諸説あり、鳥取県の鳥取砂丘、千葉県の九十九里浜、静岡県の中田島砂丘、そして鹿児島県の吹上浜海岸砂丘(吹上浜)がノミネートされています。規模からいけば、青森県の猿ヶ森砂丘(さるがもりさきゅう)、静岡県の浜岡砂丘から中田島砂丘に至る南遠大砂丘、北海道石狩湾沿いの紅葉山砂丘(もみじやまさきゅう)も候補に入ります。
中田島砂丘 | |
名称 | 中田島砂丘/なかたじまさきゅう |
所在地 | 静岡県浜松市南区中田島 |
関連HP | 中田島砂丘観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR浜松駅から遠鉄バス中田島方面行きで15分、中田島砂丘下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東名高速道路浜松ICから約10km |
駐車場 | 60台/無料 |
問い合わせ | 浜松市観光インフォメーションセンター TEL:053-452-1634 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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