柿田川

柿田川

静岡県駿東郡清水町、環境省の「名水百選」に選定される柿田川湧水群を源にする一級河川が、柿田川(かきたがわ)。全長1.2kmで日本一短い一級河川で、長良川、四万十川と並び日本三大清流にも数えられています。柿田川公園の第一展望台からは水が湧き出しているところも視認可能。

日本一短い一級河川は、国の天然記念物

約1万年前の富士山の噴火で流れ出した三島溶岩流は、愛鷹山と箱根に挟まれた谷を流れ下り、柿田川付近にまで到達。
その溶岩流の末端の隙間や亀裂から伏流水が湧き出し(柿田川湧水群)、河川となったものが柿田川です。
湧き出す部分の白い石は、3200年前のカワゴ平(伊豆市)噴火の軽石が、地下水とともに湧き出し、水流で踊っているもの。

富士山周辺に降った雨や雪が地下浸透し、地表に湧き出すまでの時間については諸説ありますが、国土交通省が行なったトリチウム濃度の分析によると、柿田川の場合は26年~28年で湧水として湧き出るという結果が出ているので、今流れる川の水は、26年~28年前の雨や雪ということに。

現在、柿田川の水は、その豊富な水量から、飲料水、工業用水、農業用水に利用され、とくに上流部には静岡県と沼津市による水道施設が整備され、静岡県東部3市2町(沼津市・三島市・熱海市・清水町・函南町)に水道水として給水されています。

柿田川公園では、柿田川を眺めながら散策できる遊歩道も整備。
伊豆半島ジオパークのジオサイトにもなっているほか、柿田川として国の天然記念物にも指定。
天然記念物に指定される理由は、三島溶岩流の隙間から湧き出す湧水によって涵養され、豊富な湧水は日量100万トンにも及び、しかも水質も良好で、そのまま飲用することが可能だから。
工場の排水によって水質が悪化したこともありましたが、周辺住民の努力などで、現在の環境を取り戻し、それが天然記念物の指定に結びついています。

河川が天然記念物となるのは、柿田川と、塩川(沖縄県国頭郡本部町/日本国内では唯一塩分濃度の高い河川)の2ヶ所のみ。

ちなみに、日本一短い河川は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町を流れる二級河川の「ぶつぶつ川」で全長はなんと13.5mしかありません。

柿田川
柿田川
名称 柿田川/かきたがわ
所在地 静岡県駿東郡清水町
関連HP 清水町公式ホームページ
電車・バスで JR三島駅からバス柿田方面行きで柿田川湧水公園前下車
ドライブで 東名高速道路沼津ICから約5km
駐車場 町営駐車場(100台/有料)
問い合わせ 清水町地域振興課 TEL:055-981-8238
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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