日光東照宮・輪蔵(経蔵)

日光東照宮・輪蔵(経蔵)

日光東照宮のハイライトのひとつが陽明門ですが、その階段下にあるのが日光東照宮・輪蔵(経蔵)。元和6年(1620年)築の方形造の建物は国の重要文化財に指定されています。経典を収納しておくための蔵で、経蔵の内部には、八角形をした回転式の輪蔵が設置されているので(内部は非公開)、東照宮では輪蔵と呼んでいます。

神仏習合時代には一切経を収蔵

日光東照宮・輪蔵(経蔵)

明治初年の神仏分離まで、日光全山は天台宗の日光山輪王寺の管理下にあり、東照宮も神仏習合でした。
その名残の建物が輪蔵(経蔵)で、一切経(大蔵経)1456部・6325巻がこの経蔵に収められていました。
輪蔵は、中国南北朝時代の伝大士(傳大士=ふだいし/497年~569年)が発明したもので、八角型の回転式書架である転輪蔵(てんりんぞう)を一回転させると、収蔵する一切経(大蔵経)をすべて唱えたことと 同じ功徳があるとされていました。

一見すると2階建てに見えますが、下の屋根は庇状構造の裳階(もこし)です。

現存する輪蔵は、寛永13年(1636年)の寛永の造営の際、作事方大棟梁の甲良宗広が建てたといわれていますが、修理の際に元和6年(1620年)の大工墨書が発見されていることから、内部に関しては創建時の建物と推測できます(外部を寛永の造営で修築)。

徳川幕府造営の輪蔵(経蔵)としては、慶長18年(1613年)築の増上寺が知られています(増上寺に現存)。

ちなみに、この輪蔵(経蔵)は、日光東照宮の境内にありますが、その所有をめぐっては日光東照宮と日光山輪王寺の間で決着をみていません(神仏分離以降の所属未決着建物)。
ここでは日光東照宮境内にあるため、便宜的に日光東照宮・輪蔵(経蔵)と紹介しています。

日光東照宮・輪蔵(経蔵)
名称 日光東照宮・輪蔵(経蔵)/にっこうとうしょうぐう・りんぞう(きょうぞう)
所在地 栃木県日光市山内2301
関連HP 日光東照宮公式ホームページ
電車・バスで 東武日光駅から東武バス世界遺産めぐりで勝道上人像前下車、徒歩10分
ドライブで 日光宇都宮道路日光ICから約3km
駐車場 100台/有料
問い合わせ 日光東照宮社務所 TEL:0288-54-0560/FAX:0288-54-0061
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日光東照宮

日光東照宮

徳川家康の遺言により徳川2代将軍・徳川秀忠が元和3年(1617年)に造営し、3代将軍・徳川家光が現在の形へと大改修(寛永の造替)を行なった徳川家康の霊廟が、栃木県日光市の日光東照宮。「日光を見ずして結構と言うなかれ」という言葉まで生まれた壮

 

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