水天宮

安産と子授け、そして水難避けの守り神として有名な神社。安産を願う女性参拝客が多く、授与品に安産の腹帯があるのもこの神社ならでは。犬の安産と多産にあやかるという信仰もあって戌(いぬ)の日には出産用品の露店も出ます。もともとは久留米藩江戸上屋敷内にあった水天宮がルーツです。安産御守、御子守帯も授与されます。

久留米藩邸に祀られた水天宮がルーツ

水天宮龍の口から水が出る水天宮手水舎
龍の口から水が出る手水舎
新装なった水天宮拝殿
新装なった拝殿

祀られているのは、壇の浦の戦いで、わずか8歳にして海に消えた安徳天皇。もとは天皇に仕えていた女官が、幼帝と平家一門の霊を弔うために筑後川の近くに小さな祠を建てたのが始まり。当初は尼御前神社と呼ばれていました。

1650(慶安3)年、久留米藩2代藩主・有馬忠頼(ありまただより)が福岡・久留米の地に壮麗な社殿の水天宮を建てて祠を移し、その後、歴代の久留米藩主により崇敬されて水天宮信仰が隆盛しました。
現在も全国の水天宮の本宮は、久留米に鎮座する水天宮です。

江戸時代後期の1818(文政元)年、9代藩主・有馬頼徳(ありまよりのり)は、趣味人で藩財政を悪化させたことで知られていますが、水天宮の分霊を三田にあった久留米藩江戸上屋敷へ勧請して分社を創建。

江戸の庶民は塀越しに賽銭などを投げ入れたため、幕府に一般参拝者の受け入れを願い出て、毎月5日に限り縁日として参拝できるようになりました。「情け有馬の水天宮」という地口も生まれたほどですが、安産だったという参拝者も現れて、参詣者が増え、年間2000両もの賽銭、札の売上を得るようにもなりました。

さらに、三田の上屋敷には水天宮と並び、江戸で一番高層の火の見櫓もあったため、江戸庶民の注目を浴びていました。広重などの版画に、増上寺とともに描かれています。

水天宮の限定公開をきっかけに、諸藩は江戸藩邸内の寺社を公開するようになりましたが、参拝者の1位は水天宮、2位は虎ノ門の金毘羅大権現(金刀比羅宮)だったとか。

明治4年、廃藩置県で藩知事を解任された有馬家は、青山に移り、それとともに水天宮は青山の邸内に。さらに明治5年、日本橋・蛎殻町にあった久留米藩江戸中屋敷の跡に遷座しました。つまり、現社地は、江戸時代には、久留米藩の中屋敷があった場所です。現在の宮司も有馬家であるなど、今も有馬家との強い結びつきがあります。

江戸鎮座200年記念事業として社殿の建て替えが行なわれ、平成28年4月7日に新社殿へ参拝が可能となっています。

久留米藩上屋敷。水天宮の幟が描かれています
久留米藩上屋敷。水天宮の幟が描かれています
赤羽根橋を渡ると久留米藩江戸上屋敷、有馬邸
赤羽根橋を渡ると久留米藩江戸上屋敷、有馬邸

パワースポットがいっぱい。境内ではここを見逃すな!

境内にある寳生辨財天(ほうしょうべんざいてん/市杵島姫神社)は、 三田の久留米藩江戸上屋敷に祀られていた辨財天像を安置するもので、学業、芸能、財福の神(毎月5日と巳の日には扉が開き、ご神像が拝観可能)。

「子宝いぬ」は、周囲を取り巻く十二支のうち自分の干支を撫でると安産、子授け、無事成長など様々なご利益があるといわれ、社務所では縁起物の「福犬」も授与してくれます。

狛犬(こまいぬ)は、福岡県久留米市の出身で、ブリヂストンタイヤ(現・ブリヂストン)の創業者・石橋正二郎の寄進。父・石橋徳次郎は久留米藩の藩士でした。

「安産子育河童」の像もありますが、河童は、水天宮の神使。足下と胸、肩に赤ちゃん河童がしがみついている姿は被写体としても人気です。魔除けの河童、河童の土鈴も社務所で授与されます。

水天宮寳生辨財天
寳生辨財天
水天宮子宝いぬ
子宝いぬ
水天宮安産子育河童
安産子育河童

水天宮のおもな行事

1月5日=初水天宮/久留米藩上屋敷の屋敷内にあった水天宮の一般公開日(毎月5日)を今に伝える、年の最初の縁日。この日に参拝すれば最大の神徳が得られるとも
1月6日=火風神社祭/火や風をつかさどる神様の祭礼
2月節分の日=節分祭/「鬼は外、福は内」の掛け声とともに、除災招福の願いも込めて豆まきが行なわれます
2月17日=祈年祭/春の稲種をまく時期にあたり、その年の五穀豊穣を神様に祈念します
3月4日=高尾神社祭/雨をつかさどる神様の祭礼
3月春分の日=春季祖霊祭/有馬家の祖先の霊をまつる祭礼
5月5日=例大祭/水天宮で最も重要な祭礼。縁のある5が重なる5月5日に執り行なわれます
5月第2の巳の日=寳生辨財天例祭/境内社の寳生辨財天の祭礼
6月30日=夏越の大祓/半年間の間、知らず知らずのうちに身についた半年間の罪や穢(けがれ)を祓い清めます
9月秋分の日=秋季祖霊祭/有馬家の祖先の霊をまつる祭礼
11月18日=秋葉神社祭/火防の神様の祭礼
11月23日=新嘗祭(にいなめさい)/神様へ新穀をお供えし、その年の豊作を感謝する祭典
12月5日=納めの水天宮/毎月5日は水天宮の縁日ですが、年の最後の縁日となります。神様のご神徳に感謝し、来る年のご加護を祈願
12月31日=年越の大祓/半年間の間、知らず知らずのうちに身についた半年間の罪や穢(けがれ)を祓い清め、新年を迎えます

水天宮
名称 水天宮/すいてんぐう
所在地 東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1
関連HP 水天宮公式ホームページ
電車・バスで 東京メトロ半蔵門線水天宮前駅5番出口から徒歩1分
ドライブで 首都高速箱崎IC浜町出口から約500m
駐車場 40台/有料
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

水天宮

2017年12月6日

 

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