東京都小笠原村、小笠原諸島・父島の南西に浮かぶ、南北1.5km、東西400mの無人島が南島。世界でも珍しい、沈水カルスト地形の島。島内には海水の入江となったドリーネ(窪地)の扇池があり、海水浴やスノーケリングも可能です。世界自然遺産の小笠原諸島を代表する景観、生態系の島です。
島利用ルールを守って、1日最大100人が上陸可能
扇池近くの砂丘には、天然記念物の半化石、ヒロベソカタマイマイも転がっている(小笠原国立公園の特別保護地区のため、採取は禁止)。カツオドリなどの海鳥やウミガメの産卵地でもあり、原始性が高く地形も険しい島なので、入島にあたっては自然保護に十分留意を。
南島へは二見港から渡船などを利用しますが、南島は腕章を着用した東京都自然ガイドが同行しないと上陸不可(毎年植生回復のために入島禁止期間が設けられています)。
しかも1日あたりの最大利用者数は100人という制限があり、最大利用時間は2時間となっています。
南島利用ルール遵守事業者のステッカーが交付されている業者のザトウクジラホエールウォッチング、マッコウクジラフォエールウォッチング、ドルフィンスイム、チャーターボート、シーカヤックで上陸できます。
ただし、自然保護の観点から桟橋が設置されていないので、上陸の際は、船の舳先から岩の上へ降り立つことになります(ボートで鮫池に進入し、ボートの舳先から直接上陸し、険しい地形を歩く)。
しかも生態系の保全のため、靴やサンダルなど履物の裏を海水で洗ってから上陸します。
そのほか、扇池からシーカヤックで上陸、扇池から泳いで上陸という方法もあります。
・小笠原の自然を守る
小笠原では、自然を守るためのさまざまなルールが定められています。
決められたルートから踏み出さないようにする、ガイドの指示に従うなど、ルールを守って自然に親しみましょう。
・外来種の侵入を防ぐ
本来小笠原にいない生きものを持ち込んだり、他の島や山の中に拡げたりしないよう注意してください。
船に乗る前や、山の中に行くときには、靴底の泥や服・かばんに種や虫などが付いていないか、チェックしましょう。
小笠原南島の沈水カルスト地形
氷河期の海水面が下がった時期に石灰岩上に発達したカルスト地形(陸化すると風雨を受けて溶食が進行)が、その後、間氷期に海面上昇によって冠水したもの。
石灰岩は、4000万から2000万年前に海底に堆積した貝などです。
ラピエという鋭く尖った石灰岩の露岩(石灰岩の溶食スピードの違いによって形成されたもの)で覆われ、島の中央部には扇池と呼ばれる天然橋で外洋と繋がったドリーネ(溶食が進行してできた円形の凹地)に砂浜があり、ビーチロックも発達。
南端にある鮫池も、ドリーネの壁が侵蝕され海水が入り込んで形成された湾です。
また、周辺の海底には鍾乳洞が隠れています。
内部の砂丘地帯には1000年〜2000年前に絶滅したヒロベソカタマイマイの化石が数多く残されています(持ち出しはできません)。
こうした貴重な自然が残されることから、「小笠原南島の沈水カルスト地形」として、国の天然記念物に指定。
沖縄県宮古諸島の下地島にある通り池も同じ成因です。
南島 | |
名称 | 南島/みなみじま |
所在地 | 東京都小笠原村南島 |
関連HP | 小笠原村観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 二見港青灯台から渡船10分(環境保護のため入島の定員規制あり) |
ドライブで | 二見港青灯台から渡船10分(環境保護のため入島の定員規制あり) |
駐車場 | 二見港駐車場(10台/無料) |
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