熊本藩主・細川家の下屋敷があったところで、屋敷や回遊式の庭園が整備されました。その大名庭園の東庭園部分が現在の戸越公園。江戸時代以降、所有者も転々と変わっていますが、大名庭園の池泉の雰囲気は残されています。
熊本藩細川家下屋敷の東側にあった庭園の池がルーツの公園
熊本藩の戸越屋敷だった時代、最盛期は1671(寛文11)年頃からで、10万坪という広大な敷地の中央に馬場を配置し、東側部分に数寄屋造りの御殿群と庭園、西側にはさらに広大な庭園がありました。
現在の文庫の森も細川家の屋敷跡です。
現在の戸越公園は、その東側部分に、いくつかあった池の一つです。数寄屋造りの御殿から眺めるために造られた池だと推測できますが、残念ながら御殿などの遺構は残されていません。
西側の庭園には、観音堂が建てられた島、富士山を模した築山などもありましたが、今はすべて失われています。
熊本藩の戸越屋敷は1678(延宝6)年の火災で西側部分を焼失し荒廃。西側の庭園部分を更地(さらち)にして地元(戸越村・中延村・下蛇窪村)の名主・地主に返し、東側の屋敷部分のみ浜田藩、その後、幕末まで松山藩松平隠岐守の所有となりました。
明治23年に財閥である三井家の手に渡ります。
昭和7年に庭園部分が東京市に寄贈され、昭和10年に東京市立戸越公園として開園。昭和25年に品川区に移管されています。
公園正門には薬医門、公園東門には冠木門を配し、1万8000平米の緑豊かな公園になっています。
戸越公園は、大名庭園を起源に、激動の歴史を経ていますが、池を中心に丘陵、渓谷、滝などが配置されていて、今なお大名屋敷の面影をとどめているのです。
戸越公園 | |
名称 | 戸越公園/とごしこうえん |
所在地 | 東京都品川区豊町2-1-30 |
関連HP | 品川区公式ホームページ |
電車・バスで | 東急電鉄戸越公園駅・下神明駅から徒歩7分 |
問い合わせ | 戸越公園管理事務所 TEL:03-3782-8819 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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