ふるさと府中歴史館

ふるさと府中歴史館

東京都府中市の大國魂神社周辺に広がる国史跡武蔵国府跡に建つ、武蔵国国府と府中の町歩きに関するガイダンス施設が「ふるさと府中歴史館」。昭和42年に府中市立中央図書館、郷土館として開館したもので、複合施設としてリニューアルされています。注目は「国府資料展示室」です。

国史跡武蔵国府跡からの出土遺物の展示も

ふるさと府中歴史館

1階の「国府資料展示室」では、国史跡武蔵国府跡の発掘調査で出土した土器や瓦などの出土遺物の展示、CG(コンピュータグラフィックス)による奈良時代の国府の風景を再現した「国府百景バーチャルツーリング」、『万葉集』の解説コーナーである「武蔵国 万葉集の世界」、5月5日を中心に斎行される大國魂神社の例大祭『くらやみ祭』の映像紹介コーナーなどが用意されています。

「国府百景バーチャルツーリング」では、CG上の国府の街を「歩く」ことが可能。
国府の各所にいる人々に「話しかける」こともできるので、ぜひ体験を。
また、『万葉集』には、「多摩の横山」(多摩丘陵を万葉時代には「多摩の横山」と称していました)の歌など武蔵国から旅立った防人とこれを見送る妻たちの歌が残されています。
宇遅部黒女「赤駒を山野に放し捕りかにて多摩の横山徒歩ゆか遺らむ」(あかごまを やまのにはがし とりかにて たまの よこやま かしゆかやらん)は『万葉集』巻ニ十・4417)に記載される宇遅部黒女(うじべのくろめ)の歌。
夫が防人(さきもり)として西国に旅立つ際に、放し飼いにした赤駒を探しても見つからないので徒歩で行かせることになったことを悔やむ妻の歌です。
武蔵国豊島郡(現在の23区)に住んだ奈良時代の女性、宇遅部黒女。
夫・宇遅部荒虫が防人として筑紫に派遣された際、多摩の横山(現在の府中市・多摩市の多摩丘陵)で詠んだ歌。
ちなみに、多摩市永山には「よこやまの道」が整備され、黒女の歌を由来とする「防人見返りの峠」も残されています。

「ふるさと府中歴史館」2階フロアのうち、半分が「公文書史料室」と「国府資料室」で、合併で現在の府中市ができる前、昭和30年代~40年代の1町2村(府中町・西府村・多磨村)時代を含め、行政が発行した数多くの公文書のなかから、とくに歴史的に重要なものを収蔵展示しています。

ふるさと府中歴史館
国衙跡から発掘された古代の瓦とレンガである塼(はく)
ふるさと府中歴史館
国府で使われた灰釉陶器(はいゆうとうき)
ふるさと府中歴史館
名称 ふるさと府中歴史館/ふるさとふちゅうれきしかん
所在地 東京都府中市宮町3-1
関連HP 府中市公式ホームページ
電車・バスで JR南武線・武蔵野線府中本町駅、京王線府中駅から徒歩7分
ドライブで 中央自動車道府中スマートICから約3km
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ ふるさと府中歴史館 TEL:042-335-4393
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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