東京都府中市、多摩川沿いの14haという敷地全体で府中の自然、地形、風土の特徴を表現するフィールドミュージアムの府中市郷土の森博物館。移築復元される8棟の歴史的建造物のひとつが、旧府中郵便取扱所(旧矢島家住宅)。明治5年〜明治22年の間、府中郵便取扱所だった矢島家の居宅です。
街道時代には府中番場宿の脇本陣「信州屋」を営む
明治4年3月1日(1871年4月20日)、東京〜大阪で官営の郵便事業が開始され、旧街道を中心に近代的な郵便制度が拡充。
それに合わせ、甲州街道・府中番場宿(府中宿は、府中三町の番場・本町・新宿で構成)の名主兼問屋の矢島九兵衛が郵便取扱役に任命され、居宅に窓口を設けるなどの改築を行ない、郵便取扱所として開設したのが現存する旧府中郵便取扱所(旧矢島家住宅)。
矢島家は府中宿の川越道、相州道との分岐近くで宿場有数の旅籠「信州屋」で、番場宿の脇本陣にもなっていました(幕末に本陣が焼失後は、江戸から8里弱という距離から本陣は再建されずに、信州屋が本陣として機能)。
戊辰戦争では、甲州街道を通る官軍の本陣にもなったのが旅籠「信州屋」(矢島家)です。
建築年代は幕末〜明治5年頃と推測され、その後は、増築、代々の当主の職業にあわせて歯科医院などに改築されてきましたが、移築にあたって府中郵便取扱所時代の姿に復元されています。
正面左側の円弧型の窓は、郵便取扱所時代の名残り。
明治5年に多摩地区で郵便取扱所が開設されたのは、府中宿のほか、布田(現・調布市)、日野、原町田(現・町田市)、五日市、青梅、田無の6ヶ所です。
府中宿では明治22年から府中町神戸(ごうど)の中島家が郵便を取り扱うようになっています。
府中市郷土の森博物館・旧府中郵便取扱所(旧矢島家住宅) | |
名称 | 府中市郷土の森博物館・旧府中郵便取扱所(旧矢島家住宅)/ふちゅうしきょうどのもりはくぶつかん・きゅうふちゅうゆうびんあつかいじょ(きゅうやじまけじゅうたく) |
所在地 | 東京都府中市南町6-49-10 |
関連HP | 府中市郷土の森博物館公式ホームページ |
電車・バスで | 京王電鉄分倍河原駅から京王バス郷土の森総合体育館行きで6分、郷土の森正門前下車、徒歩1分 |
ドライブで | 中央自動車道国立府中ICから約3.5km |
駐車場 | 400台/無料 |
問い合わせ | 府中市郷土の森博物館 TEL:042-368-7921 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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