東京都あきる野市、大岳山(1266.4m)の東、大岳沢沿い、大滝の下流側にある鍾乳洞が、大岳鍾乳洞(おおたけしょうにゅうどう)。東京都の天然記念物に指定されている鍾乳洞で、昭和36年10月、田中雄嘉造(たなかおかぞう)が発見、翌年から公開した観光洞窟です。
ヘルメットを借りてチャレンジコースに挑戦!
大岳鍾乳洞の洞口部分で、標高は490m。
田中雄嘉造は山仕事に出かける朝、谷の清水から白い煙が立ち上るのを見て、深い洞窟があるのを確信、「第一発見者田中」と岩に書き記し、昭和36年の春、探索に取り掛かり、ようやく見つけたのが大岳鍾乳洞。
田中雄嘉造・ユキ夫妻は、土を手で掻き出し、中に人が入れるように整備して、ようやく公開。
誕生間もない五日市観光協会が大岳鍾乳洞と名をつけてPRを開始、大岳山へのハイキングコースも整備されたのです。
田中雄嘉造氏の妻・ユキさんは、夫の亡き後も受付前に立ち続け、平成28年、100歳で天寿を全う。
ユキさんが亡くなる3日前に結婚した孫の田中嘉伸・友美夫妻が、跡を継ぎ、休業していた大岳キャンプ場を再開したのです。
東京都内で一般公開されている観光鍾乳洞は大岳鍾乳洞、三ツ合鍾乳洞、奥多摩町の日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう)の3ヶ所のみ。
「洞内の温度は11度〜13度で、一定です」(田中嘉伸さん)とのことで、夏は涼を求めてやってくる人が多い場所です。
洞窟の全長は300mほどですが、腰をかがめてやっと通れる部分など、整備しすぎていない魅力もあり、洞窟ファンにも人気です。
洞内には通常コースのほか、所要時間5分ほどのチャレンジコースも復活。
入口でヘルメットを貸し出しているのは、頭をゴチンとぶつける人が多いから。
日原鍾乳洞に比べて、まだまだ知らない人が多い鍾乳洞ですが、その分、観光化されない魅力と自然があり、おすすめです。
ちなみに、あきる野市にある大岳鍾乳洞、三ツ合鍾乳洞、養沢鍾乳洞(閉鎖)は、いずれも古生代の石灰岩が浸食されて誕生した鍾乳洞。
3億年ほど前に、フズリナ、ウミユリ、コノドントなどが栄えて礁が生まれ、石灰岩の層となったもの。
はるか遠い南の海で形成された古生代の石灰岩が中生代の地層と混ざり合いながら現在の場所まで運ばれ、造山運動で隆起したもので、秩父帯と総称されています。
大岳山の山頂はチャートですが、チャート層のなかに石灰岩をレンズ状挟んで露呈し、その露呈部分に鍾乳洞があります。
大岳鍾乳洞 | |
名称 | 大岳鍾乳洞/おおたけしょうにゅうどう |
所在地 | 東京都あきる野市養沢1587 |
関連HP | 大岳鍾乳洞・大岳キャンプ場公式ホームページ |
電車・バスで | JR武蔵五日市駅から西東京バス上養沢行きで27分、大岳鍾乳洞入口下車、徒歩26分 |
ドライブで | 圏央道日の出IC、あきる野ICから約17km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 大岳鍾乳洞・大岳キャンプ場 TEL:042-596-4201 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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