箸蔵寺

箸蔵寺

徳島県三好市池田町にある真言宗御室派別格本山が箸蔵寺(はしくらじ)。本尊は歴代住職も見たことがないという絶対秘仏の金毘羅大権現で、神仏習合の近世には「こんぴら奥の院」とも呼ばれていました。天長5年(828年)に、空海(弘法大師)が開基したと伝わる古刹です。山麓から方丈脇まで箸蔵山ロープウェイが通じています。

空海開創の「こんぴら奥の院」

空海は金毘羅大権現(こんぴらごんげん)から「済世利民」のご神託(おつげ)を授けられ、「箸を挙ぐる者すべて」(箸を使う人=すべての民)を救うと誓ったと伝えられ、これが寺名の由来ともなっています。
金毘羅権現は、琴平山(象頭山)の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神。
有名な金刀比羅宮(ことひらぐう)も、明治初年の神仏分離、廃仏毀釈までは象頭山松尾寺金光院という寺で、修験道を創始した役小角(えんのおづぬ)が大宝年間(701年〜704年)に象頭山で護法善神金毘羅の神験にあって創建したと伝えられるのが象頭山松尾寺金光院です。
その金毘羅大権現から「済世利民」の神託を受けた空海ということで、同じ金毘羅大権現を祀る箸蔵寺は、まさに空海ゆかりの四国を代表する聖地ということに。

江戸時代築の本殿、護摩殿、方丈(本坊)、薬師堂、鐘楼、天神社の6棟が国の重要文化財に指定。
1週間前までの予約で精進料理を味わうこともできます。
江戸時代築の重要文化財に指定された方丈(本坊)は宿坊になっていて、精進料理もここで味わう仕組み。

山上にあるため、箸蔵山ロープウェイを利用しない場合には山門前から本殿まで769段の石段上りが必要。
箸蔵山ロープウェイを利用したとしても、方丈から本殿までは278段あるので、歩き慣れた靴で登拝を。

天長5年(828年)の開山以来、朝夕欠かさず護摩殿で行なわれているのが護摩祈祷で、メールでの祈祷申し込みも受け付けています。
また、「お箸初め」の祈念も通年受付。

象頭山松尾寺金光院(「こんぴらさん」)の奥の院でもありことから、昔は象頭山の金毘羅大権現に参拝する人は必ず阿波の箸蔵寺にも参詣したのです。
讃岐のこんぴらさんと、阿波の箸蔵寺を結ぶ信仰の道として箸蔵街道が現存。
明治27年に猪ノ鼻峠が改修されるまで巡礼の人々や物資を運んだのが箸蔵街道です。
「四国のみち」(四国自然歩道)の一部となっているので今も古道歩きのルートとして歩く人も多数。

箸蔵寺
名称 箸蔵寺/はしくらじ
所在地 徳島県三好市池田町州津蔵谷1006
関連HP 箸蔵寺公式ホームページ
電車・バスで JR箸蔵駅から徒歩7分で箸蔵山ロープウェイ山麓駅
ドライブで 徳島自動車道井川池田ICから約54kmで箸蔵山ロープウェイ山麓駅駐車場
駐車場 箸蔵山ロープウェイ山麓駅駐車場(200台/無料)
問い合わせ 箸蔵寺 TEL:0883-72-0812/FAX:0883-72-5651
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
箸蔵山ロープウェイ

箸蔵山ロープウェイ

徳島県三好市池田町、「こんぴら奥の院」として信仰を集める真言宗別格本山・箸蔵寺(はしくらじ)のある箸蔵山に架かるロープウェイ。登山口駅と山上の箸蔵寺駅の間、全長948m、標高差342mを4分で結んでいます。眼下に広がる吉野川のパノラマを楽し

 

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