奥祖谷観光周遊モノレール

奥祖谷観光周遊モノレール

徳島県三好市のいやしの温泉郷にある観光用のモノレールが奥祖谷観光周遊モノレール。東祖谷山村の観光振興を目的に、農業などに使われる産業用モノレール(モノラック)を応用して敷設されたもの。全長は4600mですが、標高差が590m、最大傾斜角40度という山岳路線(乗車時間は1時間5分)で、スリルも満点。

産業用モノレールを観光用に活用

農業などで使われる急傾斜地単軌条運搬機の産業用モノレール(モノラック)。
昭和41年にニッカリ(日本刈取機工業/岡山県岡山市にある園芸機器、軌条運搬機の製造販売を行なう会社)が農業用急傾斜地単軌条運搬機(モノラック)を開発し、みかん畑など、傾斜地の農業効率を飛躍的に改善する手段が誕生したことから爆発的に普及しました。
その後、林業などでも活用されるに従い、現場への移動手段の確保を目的に人を運ぶことも増えたため、平成4年に奈良県が「作業現場までの長時間徒歩通勤を解消し安全で快適な人員輸送用モノレールの普及促進を図る」ために「人員輸送用モノレール安全管理基準」を策定。
さらに国も「林業用単軌条運搬機安全管理要綱」を定めて人を運ぶための安全対策が施されるようになったのです。

現在では、東京都檜原村の「福祉モノレール」ように、この産業用モノレール(モノラック)を地域住民の足として利用している地域があります(動力車+乗用台車+荷物台車の編成)。

その本来は産業用モノレール(モノラック)を観光用に転用したのが、奥祖谷観光周遊モノレールですが、鉄道事業法による鉄道や軌道法による軌道ではなく、あくまでも遊園地の乗り物(アトラクション)と同じ扱い。

地元では、「観光用モノレールとしては、全長4600m、高低差590m、最大傾斜度40度(産業用モノレールの登坂可能な斜度は最大で45度とされています)、最頂標高1380m、すべて世界一」とPRしています。
自然保護の観点から、脇に架線をから電気をとる電動式のモノレールで、森を探勝するクリーンな乗り物という点にも注目を。

観光シーズンには乗客が多く、当日の運行予定数のチケットが完販となったら乗車できないのでご注意を。
また、緊急時には長時間の山道歩行、非常階段の昇降、乗物内での待機などが必要となるため、乗車にあたっては制限があることにも留意を(ハンディキャップのある人が乗車を希望の場合には事前に確認を)。

ちなみに産業用のモノレールを観光用に転用しているのは、国内では三好市のほか、奈良県吉野郡天川村の洞川財産区の運行する面不動鍾乳洞・面不動モノレール、五代松鍾乳洞・五代松モノレールがあります。

奥祖谷観光周遊モノレール
奥祖谷観光周遊モノレール
名称 奥祖谷観光周遊モノレール/おくいやかんこうしゅうゆうものれーる
所在地 三好市東祖谷菅生
関連HP 三好市公式観光サイト
電車・バスで JR大歩危駅から四国交通バス久保行きで久保下車、三好市営バスへ乗換え菅生下車、徒歩30分
ドライブで 徳島自動車道井川池田ICから約60km
駐車場 いやしの温泉郷駐車場を利用
問い合わせ 奥祖谷観光周遊モノレール駅舎 TEL:090-7781-5828
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

祖谷渓(小便小僧の像)

徳島県三好市を流れる吉野川支流、祖谷川の峡谷が祖谷渓(いやだに)。剣山に源を発する祖谷川が深い谷をえぐって流れ、V字型に切れ込んだ峡谷は10kmに渡って続きます。祖谷川沿いの杣道(そまみち)を辿り、平家の落人が落ち延びたという伝説も残ります

五代松鍾乳洞

五代松鍾乳洞

奈良県吉野郡天川村洞川、「天川村立洞川エコミュージアムセンター」の東にある鍾乳洞が、五代松鍾乳洞(ごよまつしょうにゅうどう)。昭和4年、赤井五代松(あかいごよまつ)が発見した総延長80m以上の洞窟で、10年あまりの歳月を費やして観光洞に整備

武家屋敷喜多家

武家屋敷喜多家

徳島県三好市東祖谷、屋島の源平合戦に敗れた平氏一族が落ち延びてきたと伝えられる東祖谷の大枝地区にあるのが、武家屋敷喜多家(ぶけやしききたけ)。源平合戦に敗れた平家落人(へいけおちうど)は讃岐山脈を経て、阿波へと入り、吉野川を溯ったと伝えられ

鉾杉

鉾杉

徳島県三好市東祖谷、武家屋敷喜多家近く、鉾神社(ほこじんじゃ)にそびえるのが、鉾杉。平家落人伝説で、平国盛(平教経)が大枝部落に神社を創建した際、所持していた鉾を納めて、平和を祈念して杉を手植にしたものと伝えられ、推定樹齢は800年、徳島県

 

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