長谷寺

倉吉市の打吹山の中腹にある長谷寺は、戦国時代の争乱で堂宇の大部分を焼失していますが、本尊十一面観音を祀る観音堂(本堂)だけが焼失を免れ、ますます観音像信仰を集めるようになったという古刹。室町時代から明治時代までの絵馬群63点も寺宝のひとつ。各時代の民衆信仰の傾向がわかる貴重な資料となっています。

庫裏に保存される絵馬群にも注目!

寺伝によれば、奈良時代の721(養老5)年、法道を開山として創建したという古刹。当初は長谷村(ながたにむら=現・倉吉市長谷)にあり、後に現在地に移されたという。
急斜面に築かれた本堂は寄棟造の南にせり出した懸造りで、天正年間(1573年~1592年)の築。仁王門は入母屋造の八脚門で、1680(延宝8)年の造営。
本堂に安置される本尊(木造十一面観音菩薩坐像)を祀る厨子は、桁行1間、梁間1間の入母屋造り柿葺きのかなり大きなもので、鎌倉時代に中国から伝わった禅宗様で作られています。屋根など主要部分は製作された室町時代後期のもので、国の重要文化財に指定(絵馬厨子拝観は要予約)。

絵馬群は、1531(享禄4)年から明治までに奉納された風俗画、武者絵、歌舞伎絵、宗教画で、庶民信仰、民俗などを考察する貴重な資料となっています。なかでも有名な白馬の絵馬は、絵馬から抜け出し夜な夜な倉吉の城下に現れたという伝説の馬。1677(延宝5)年に奉納された「歌舞伎絵図」(歌舞伎を描いたものとしては最古級のもの)も必見です。

中国三十三観音霊場第三十番札所。

長谷寺の年中行事

2月第3土曜/長谷の牛玉授け=牛玉宝印を記した福木(平年は12本、閏年は13本)は、商売繁盛・五穀豊穣・家内安全など新しい年の福を授けてくれるといわれ、訪れた人は福木を競って奪い合います。

長谷の牛玉授け

2月第3日曜/長谷の観音市=牛玉授けの夜が明けるとこの地方に春を知らせる観音市が本町通り(倉吉市東仲町、西仲町、西町)など立ちます。

長谷の観音市
長谷寺
名称 長谷寺/はせでら
所在地 鳥取県倉吉市仲ノ町2960
関連HP 倉吉観光MICE協会公式ホームページ
電車・バスで JR倉吉駅から日本交通バス関金温泉行きで15分、長谷寺西口下車、徒歩10分
ドライブで 米子自動車道湯原ICから約35km
駐車場 7台/無料
問い合わせ 長谷寺 TEL:0858-22-3272
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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