富山県黒部市宇奈月町、黒部峡谷鉄道沿線の黒部川本流に築かれたダムが出し平ダム。昭和60年の完成は、関西電力が手がけた黒部の電源開発では最新のダム。下流へ土砂を流すことで海岸線の後退を防ぐことを目的に、ダム湖の堆砂を排出する「排砂ゲート」を備えた日本最初のダムです。
黒部峡谷鉄道の車窓からのみ見学可能のダム
発電は下流の新柳河原発電所、音沢水力発電所で行なわれています。
周辺の黒部峡谷には一般道はもちろん、徒歩すらなく、観光客が立ち入りできないエリアにあるため、見学は黒部峡谷鉄道のトロッコ列車の車窓からのみという異色の「秘境ダム」となっています。
黒部峡谷鉄道が運行しない季節には、現地でダムを管理する職員に「逓送さん」(正式名:黒部川電力所管内物資輸送業務)と呼ばれる人々が徒歩で生鮮野菜、業務書類などを届けています。
2人1組で、積雪期、そして吹雪の日にも毎日3kg~5kgの荷物(多いときには40kgの荷物)を運んでいるのだとか。
道のりの大半は雪崩危険区域のため、運休中の線路だけでなく、狭い専用のトンネル(冬期歩道)を使い片道10kmを2時間かけて運搬します(鉄橋には熱線で積もった雪を溶かす仕組みが設けられています)。
ちなみに、黒部峡谷鉄道沿いには、ダムの維持管理に携わる関電職員、線路の保守点検に携わる黒部峡谷鉄道職員らが、ダム寮など8ヶ所に常駐。
もっとも奥にあるのが出し平ダムということに。
名称 | 出し平ダム/だしだいらだむ |
所在地 | 富山県黒部市宇奈月町黒部奥山国有林 |
電車・バスで | 黒部峡谷鉄道を利用(車窓から) |
ドライブで | 北陸自動車道黒部ICから約14kmで宇奈月駅 |
駐車場 | 宇奈月駅前駐車場(350台/有料) |
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