小雲取越

小雲取越

和歌山県新宮市熊野川町・田辺市、熊野本宮大社と那智大社を結ぶ山岳ルートが、雲取越(くもとりごえ)。そのうち小雲取越は新宮市側の小口から妙法山(609.5m)の山頂直下の峠(小雲取越)を経て田辺市側の本宮請川までの山越えのコース。世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の後世文化財のひとつ。

大雲取越と連続する熊野古道の難所は、ハイキングに絶好

小雲取越
桜茶屋跡

かつては、熊野三山に参拝した後、那智から本宮に戻るために利用された道が大雲取越、小雲取越。
その名の通り雲の中を行くような峠越えの険しい道で、もっとも険しいのが大雲取越、続いて小雲取越となっていました。
ロングコースとなるので、全ルートを歩く場合には、那智勝浦に前泊して大雲取越を越して小口で1泊、小雲取越を越して本宮で後泊とするのが一般的です。
大雲取越に比べれば、比較的アップダウンが少なく、杉と檜が混生する森の中を歩くので、手始めに小雲取越だけを歩くのもおすすめです。

小雲取越コースのスタートは、小口自然の家から北へ20分ほど歩いた小和瀬渡し場跡の橋を渡った地点で、かつて渡しがあった赤木川を橋で渡る地点です。
人家横の細道を抜け、段々畑の間を登って行くと、見通しのよい山道。
ゆるやかな登りを1時間ほどで桜茶屋跡に出ます。
ここからは比較的楽な尾根道で、杉木立の道を歩くと、桜峠を越え、その先に石堂茶屋跡があります。
石段の下には清水が湧いています。

賽の河原地蔵を過ぎると、請川までの約7kmはひたすら下り。
途中の「百間ぐら」は、木立の間から果無山脈を望む絶景ポイントになっています。
小口バス停〜請川バス停は13km、所要4時間30分のコース、熊野本宮大社までならプラス45分で、最低でもハイキング程度の装備は必要です。

小雲取越
百間ぐら

熊野古道・小雲取越 コースタイム

小口バス停〜(1.0km・徒歩20分)〜小和瀬渡し場跡〜(2.4km・徒歩1時間)〜桜茶屋跡〜(0.5km・徒歩15分)〜桜峠〜(1.6km・徒歩30分)〜石堂茶屋跡〜(1.1km・徒歩25分)〜林道交差〜(0.9km・徒歩20分)〜百間ぐら(眺望ポイント)〜(1.4km・徒歩25分)〜万才峠分岐〜(0.3km・徒歩5分)〜松畑茶屋跡〜(3.8km・徒歩1時間5分)〜請川バス停〜(3.2km・徒歩45分)〜熊野本宮大社

小雲取越
小雲取越
名称 小雲取越/こくもとりごえ
所在地 和歌山県新宮市熊野川町上長井〜田辺市本宮町請川
関連HP 田辺市熊野ツーリズムビューロー公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
大雲取越

大雲取越

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