和歌山県田辺市、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産となる熊野古道・中辺路(なかへち)、熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)のひとつで、近露王子(ちかつゆおうじ)と継桜王子(つぎざくらおうじ)の間に位置するのが比曽原王子(ひそはらおうじ)。往時には社がありましたが、現在は杉の植林地に碑が残るのみです。
江戸時代中期に紀州藩が立てた石碑が現存
建仁元年(1201年)、後鳥羽上皇の熊野詣でに随行した藤原定家(ふじわらのさだいえ)の『熊野道之間愚記(後鳥羽院熊野御幸記)』にも「すぐに輿に乗り出発し、川を渡り、すぐ近露王子に参る。次にヒソ原、次に継桜、次に中の河、次にイハ神とのこと」と記され、「ヒソ原」の名を見ることができます。
承元4年(1210年)の藤原頼資の『修明門院熊野御幸記』にも檜曾原とあるので、平安時代には九十九王子として機能していたことがわかります。
南北朝時代にはすでに荒廃し、社殿も失われていたようで、紀州藩は享保8年(1723年)、緑泥片岩の碑を建立し、これが現存しています。
近露王子から2.7km、50分。
名称 | 比曽原王子/ひそはらおうじ |
所在地 | 和歌山県田辺市中辺路町野中 |
関連HP | なかへち町観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約37km |
問い合わせ | なかへち町観光協会(熊野古道館)TEL:0739-64-1470 |
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