和歌山県伊都郡高野町にある南海電気鉄道高野線の終着駅で、鋼索線(高野山ケーブル)への乗り換え駅となっているのが、極楽橋駅(ごくらくばしえき)。標高は535mもあり、橋本駅との高低差はなんと443mもあります。高野山参詣関連遺産として経済産業省の近代化産業遺産にも認定。
俗世と聖域の境界を演出する内装にも注目!
昭和4年2月21日、高野山電気鉄道の延伸開通で開業した駅で、まさに高野山参詣の玄関駅。
大半の人が南海電気鉄道高野線から鋼索線(高野山ケーブル)へと乗り継ぐため、改札口の利用は少ないのが特徴。
かつての高野山参詣は、駅名の由来ともなった朱色に塗られた極楽橋(高野山の聖域と俗世を区切る境界)を渡り、不動坂(現・いろは坂)を登って女人堂に至りましたが(世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産)、現在では高野山ケーブルが山上の伽藍に通じています。
駅舎は令和2年7月20日にリニューアルされていますが、注目は駅構内の色の塗り分けと、天井絵。
「はじまりの聖地、極楽橋。」をコンセプトに、極楽橋駅舎内の電車側コンコースは「俗世=黒」、ケーブルカー側コンコースを「聖域=赤」として演出しているのです。
電車側コンコースの天井には、「いのちのはじまり」をテーマに、複数のアーティストが極楽に住まう動物・虫・植物(極楽鳥をはじめ、高野山にゆかりのあるモチーフの黒犬・白犬、睡蓮、しゃくなげ、一般的に縁起物とされる梅、鶴など)などをイメージした50種類のイラストを作成、現代風の格天井が誕生。
両コンコースの境界部は、「俗世=黒」の世界から「聖域=赤」の世界へ渡っていることを、6枚のフラッグのグラデーションで表現しています。
高野山ケーブル側コンコースは、高野山で、注連縄(しめなわ)の代わりに用いられる縁起物の切り絵「宝来」をモチーフにし、紅白で統一された「宝来天井絵」が配されています。
さらに極楽鳥を描いたガラスアートを使用した「はじまりの手水舎」が設置されています。
高野山参詣関連遺産として、高野下駅、紀伊清水駅、学文路駅、九度山駅、下古沢駅、上古沢駅、紀伊細川駅、紀伊神谷駅、高野山駅、紀ノ川橋梁、丹生川橋梁、鋼索線(高野山ケーブルカー)とともに経済産業省の近代化産業遺産「社寺参詣や温泉観光・海水浴に端を発する大衆観光旅行の歩みを物語る近代化産業遺産群」にも認定されています。
極楽橋駅 | |
名称 | 極楽橋駅/ごくらくばしえき |
所在地 | 和歌山県伊都郡高野町高野山国有林 |
関連HP | 南海電鉄公式ホームページ公式ホームページ |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 高野山駅 TEL:0736-56-2305/南海テレホンセンター TEL:06-6643-1005 |
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